人気ブログランキング | 話題のタグを見る

小説「Sweet Blue Age」 角田光代他

  甘く憂鬱な年頃(まんまか)。7人のアンソロジー。

  
  「あの八月の」角田光代

   やっぱり一番上手ですねー。青春ってたまらんですわ。
   痛くて恥ずかしくてしょうもなくて、いっぱいいっぱいで。
   大学生、狭い世界の中で、めっちゃ揉めてもつれる逃げ場ない恋愛。
   それを大人になって思い返すという、罰ゲーム並の七転八倒を鮮やかに。
   酸っぱすぎる(笑

  
  「クジラの彼」有川浩

   
   いやー、こういうの大好きです、私。きっとみんなも好きだ(何
   大直球じゃないですか。わかりやすくて胸キュンで最高に爽やか!
   しかも私は自衛隊も大好き。シリーズを読まねば!

  「涙の匂い」日向蓬

   存じ上げない作家さんでした。
   中学生視点の、とっても真面目な青春模様。切ないなー。
   女性好みのほんのりエロ風味を盛り込む作家さんらしいですが、
   やらしくはないし、汚くもないです。
   もう一作くらい、読ませていただいても良いかもですね。

  「ニート・ニート・ニート」三羽省吾

   まぁ、これもある意味直球です。
   まともに社会人をやれていない、うまくいかない同級生3人の、
   しょうもなくやけくそな逃避行。どうすんだよ君ら。
   若いなあとは思うが、もう若くもないぞ、とも思い、
   窮屈で大変だね、とも思う。共感するものでもないので、感想も薄いが。

  「ホテル・ジューシー」坂木司

   面倒見のいいお姉ちゃんが、自分のために時間とお金を使おう、と一念発起。
   遠くでバイトを始めるが、なんかどこでも貧乏くじっていうか、
   人の面倒をみる羽目に、みたいな。
   これも、大変だなぁと思うが、すいません最後まで他人事で。
   
  「辻斬りのように」桜庭一樹

   これは、「少女七竈と七人の可哀想な大人」の冒頭の章なので既読。
   これだけ読むと、呆気にとられるというか、突拍子もないが、
   彼女の行動にはちゃんとわかりやすく意味があると、
   本編まで読めば腑に落ちるので、ちょっと点が甘くなる。

  「夜は短し恋せよ乙女」森登美彦

   詩ですね(謎)。好きな人は好きでしょう。
   腰を入れて読みたい作家さんだが、もしかするとダメかもしんない。

収穫と言えるものもありましたが、面白さがわからんものもあり。
勿論いろんな味をつまめるのが、アンソロジーの良いとこです。  
by michiko0604 | 2010-10-07 21:09 | | Trackback