漫画「星守る犬」と雑感少し

映画が絶賛上映中のようです。
原作漫画を、同僚のナースに貸していただいて読みました。
私も相当猫好きですけど、このナースにはまったく太刀打ち出来ません。
死んだあとなら猫に食われても良いそうです。
轢かれた動物を見ると、脇に寄せてあげるんだそうです。
(さらに徳の高い人なら、葬るまでしてあげるのでしょうが。
 「アヒル鴨」の彼らのように)

で、感想はほぼ一緒で「犬かわいそう!」「おじさんの巻き添えじゃん!」
だったんですけど・・・。

おじさんの転落人生はまことにお気の毒で、現代日本の病巣なのかもしれません。
人間だから生活保護を受ける道もあったと思うけど、
おじさんは別の生き方を自ら選んだわけですから、
最後まで看取ってくれるパートナーと共に、思ったように人生を終えられて、
もしかしたら、おじさんは幸せだったかもしれません。

でも犬はどうなるんだよ。後に残された犬は。悲惨過ぎる。
おじさんの遺体に寄り添っていた瀕死の犬が保護された、
という結末なら、まだしも耐えられたけど。

「とにかく泣ける」、って、そりゃ泣けるでしょうよ。

「私らは猫飼いだから、とにかくかわいそうって思っちゃうけど、
 犬の気持ちは違うのかもしれないよね。
 飼い主に尽くすのが犬の幸せなんだと思えば、
 犬も殉じられて満足なのかもしれないね。
 そう思うしかないよね」

・・・と、なんとか落としどころを見つけて、無理やり納得したんだが。

漫画だけでもこんな落ちた気分になるのに、
大画面いっぱいの動物虐待を見せられる羽目になったら、
ちゃぶ台をひっくり返してしまうかもしれぬ。比喩。

食わず嫌いでもったいないかもしれんけど、
リスクが高すぎて映画は無理です。私には。



と、結論付けていましたが、まぁ大勢は変わっていないものの、
1センチくらい感想が傾く出来事が、数日前にありました。
朝のニュース番組の中。被災地の、避難所の女性の話。

「85歳の母もいたんだけれど、逃げようって言っても、
 『オレはここで死ぬよ』って、動かなかった。
 それで、飼ってた猫を連れて行こうとしたら、
 『猫は置いてけ』って」

それ以来、おばちゃんと猫はいなくなったのでしょう。

朝から大号泣してしまって、仕事なのに困った。

猫も可哀そうだけど、私はこの話、「ここで死ぬよ」にシンパシーを感じてしまった。
で、猫を残して欲しい気持ちにもすごく共感してしまった。
猫ごめん。正に巻き添え。
でも、猫がいてくれたからこそ、おばあさんの最期はまだしも穏やかだった筈。
猫ごめん。でもありがとう。今書いていても泣けてくるのは何故だ。

私はきっと、このおばあさんのように死にたいのだ、と思った。
いや、わざわざその状況を選びたい、という意味じゃなくて。

今はまだ、つらくても苦しくても何とか足掻いて生きなければならないが、
(その状況になったら、という意味で、今の自分はつらくも苦しくもないが)
もしも自分が85歳で、自分のことを自分だけで決めて良いのなら、
私もそのまま、居る場所で死にたい。
その時に猫が一緒にいてくれたら、きっとそんなに怯えずに向こう側に渡れるだろう。
そんな気がする。

そんな気がするのに、そうなってしまうことは悲しくてならないのだ。


そして、「星守る犬」のおじさんにも、初めて1センチ寄り添う気持ちになった。
そこへ至る過程は違っても、進退窮まる人生のカタストロフィに直面した時の選択。
人間のエゴイズムに共感してしまっただけのようで、軽く痛恨ではありますが・・。


だからと言って、絶賛に裏返るわけじゃないですけどね。
猫の死は一瞬だったと思うが、犬は長く理不尽に苦しんだろう。
やっぱヒド過ぎる。無理。

フランダースの犬でさえ見られない、ヘタレの私。
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by michiko0604 | 2011-06-24 20:24 | 猫とか生き物 | Trackback | Comments(0)