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ハチクロ真山とマサムネさん

前回微妙に失礼なことを書いてしまったが、
自分的にあの真山が問題外かというと、わりとそうでもない。
原作の真山は、背も高く垢抜けた感じで、優秀で優しく、
見るからにポイント高くて、ちょっとくらいストーカーでもご愛嬌なのだが。
ていうか本気で片想いしてる情の深い人間だったら、あのくらい、
行動に移すかは別として、充分理解できる範疇だと思いますし。
でも使用済みのスプーン拾って飾るのはやめてくれよ、映画の真山。
引くよあれは。キモイよ。リコーダーとかリップクリームまで、あと一歩じゃないかよ。
・・と言っても、まるで許せない、消えうせろってことかというと、そうでもない。

これも問題発言かも知らんけど、映画の真山は、スガシカオには似てないけど、
草野正宗さんには似てると思う。実は。
草野さんを初めて見たとき、私はつぶやきシローのバリエーションにしか見えず、
中村俊輔や大黒将志とおんなじトーンでしょぼくさいエリアにまとめてしまった。
スピッツファンの友達複数から抗議を受けたが、最初はほんと、
草野さんのどこがどう、「かっこいいじゃん」という言葉と対応するのか、
全く理解できなかったんですわ。みんな術にかかってんじゃないのかと思ったくらい。

でも、ある意味それが正解だったんだろう。
その術に、いつの間にか自分もかかっただけだ。いつからなんだ、まったく。
私には、今も草野さんはしょぼくてひょろくて貧相に見えるし、
自信なさげで挙動不審であやしくて、歌わない時は隠しておきたいくらい。
でもそれが既に愛なんだよな。

(後注:以下、熱烈直球乙女系ラヴレター炸裂。かなり恥ずかしい。
 削除しようとしたが。これも青春の暴走若さゆえの過ち(大嘘)の記念として残す。
 読む人は身構えてください。覚悟のできなかった人はスルーしてください)

「私はこの人のことを何も知らない。何しろ顔もよく知らなかったくらいだ。
教科書に載るほど爽やかな歌、何十年も前のフォークのようなシンプルで優しい旋律を、
高く澄んだ声で、穏やかに地味に繊細にやや神経質に歌い上げる。
いつまでも垢抜けない感じの冴えない風貌の、内向的でインドアっぽくてマイナーっぽくて
自信もなさげであんましもてなそうな(だんだん酷くなって来た。汗)、そんな印象で。
悪くはないけど何でこんなに売れてるのかよくわかんないなと。思っていた。
理屈ではなくて不本意ながら説明できない。毎日少しずつ、毒を盛られて来たかのよう。

冴えなくて垢抜けなくて自信なさげでひょろくてしょぼい、印象は変わらないまま
今日の私は、この人に、中毒症状にも似た特別な慕わしさを寄せている。

いろいろな物事を、この人はどう感じ、どう考えるのだろう。何を思うのだろう。
さまざまな風景は、この人にはどう見えるのだろう。何を導き出すのだろう。
それらはこの人の中で、小昏くも豊穣な、薄い毒を含んだ麻薬に結実して、
あの、一見無害そうな優しげな甘い声に乗せて、あまねく発信されるのだろうか。
そして、人の心の表層の、もうひと層奥まった部分にその痩せた指をすべりこませて、
無防備に張られたその場所の琴線を弾くのだろうか。
それもこれも単なる副産物に過ぎなくて、歌うのは全て自分のためなのだろう。勿論。
その秘密を解き明かして手につかんでみたい。」

「穏やかで優しげでおとなしげで清潔そうで、地味で垢抜けなさげだけど、
雰囲気があってオーラがある。ああ。なんかすごく主観的な印象論だな、これじゃ。
でも触りたくなるってことかもしれない。そして触らない。見ていたい。
知りたいし解明したいし、できればその眼にうつりたい。何がしかの価値あるものとして。
でもそのままただ見ていたい。放射状に投げかけられる小さな光だけ、
大切に両手に受ける。」

恋に落ちたと自覚したときには、こんな感傷系乙女ラブレターを書いてしまったよ。
前の日記から転記してみたが、こりゃ恥ずかしい。でもまぁこんなもんだろう。開き直り。
わたしにとっては、「キモかわいい」は、アンガよりまず草野さんなんだよね。

映画の真山はここに通じる。恋に落ちるほどのパワーはなかったが、
同類のはしっこなのは認めてあげよう。人を惹く力は、きっとある。
by michiko0604 | 2007-02-24 01:26 | 映画・TV | Trackback