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小説「半落ち」 横山秀夫

たまたま同僚が持ってきて読んでいたので、その後貸してもらった。
二度目なんだが、細かいところはあまり覚えてなくてまた改めて感心してしまい、
それでもあらすじくらいは把握しててオチもわかってるのに、
また泣いてしまった(笑)。作品の力がすごいのか、私が馬鹿なのか。

初見のときの感想を前の日記から探してきて読んでみたら、
今回感じたことと同じようなことが書いてあって、当然でもあるし、馬鹿だとも思った。
新しく付け加えることがないくらいにそのまんまなので、転記しておく。

「2004年4月13日

「半落ち」を読んだ。
機会があったら読みたいと思ってた本の一つで、最近地上波で映画もやったらしいんだけど
普通に見逃した・・・見ようと思っていた番組を見られる率は、ここんとこ2割かそこらだ(適当)。
忘れちゃうんだよね。忙しいわけじゃないんだけど。ウワノソラで。
それはそれとして半落ちか。
ミステリーとしちゃ弱いでしょう、あれだけ引っ張った末の謎解きがこれじゃしょぼくないか、
そもそもオチの部分での致命的とも言える欠陥を、直木賞の選考委員に指摘されてもいるらしいし。
主人公に重ねあわされるおじさん達の人生模様も、悪くはないんだけど甘いよね。
澄み切った目とか、これほど優しい顔になれるものかとか、字面で書かれても微妙。
ただそこにいるだけで、その優しい雰囲気と澄んだ目で、
海千山千百戦錬磨の警察官や検事や弁護士達に、利害超えて入れ込ませられるような、
それじゃまるで新興宗教の教祖様ですかみたいな、そんな心洗われる清らかなオーラを持った人間て、
探せばいるのかも知れないけど、それじゃ会わせていただけませんか、みたいな。
まぁ、映画で寺尾聡が、なかなか説得力のある聖人的殺人犯を具現してるらしいので
近いうちにDVD借りて、確認してみようと思ってますけど。

・・と、わりと一生懸命辛口批判を試みてみました。
だって仕方ないじゃないですか、泣いちゃったんですもの・・・(笑)。
何でこんな、お涙ちょうだいのエリアじゃないか、「感動物」じゃないか浪花節じゃないか、と
頑張って抵抗したんですけどね。泣いちゃいました。
四分の三くらい読んだ時点で公式サイトにアクセスして、最終的なネタバレはしてなかったけど、
ちょっとしたヒントで最後の謎の見当はついちゃいまして、そこで既に涙出てきた。
これはミステリーというよりお伽話だったのかも知れない。
守りたいものがあるから生きたい、という発想は実に普遍的で、陳腐ですらある。
でも、だからこそ人の心をわかりやすく打つのだろうな。
くさくてわかりやすいお話が好きな人は読んでみてください。お薦めです。美しいお話です。」

映画は結局見てないのだった。借りたけど見られずに返しちゃった。わりとよくあること。
近いうちに借りてこようと思います。
同僚のイメージでは、梶さんは温水洋一さんなんだそうだ。あああ、それわかる(笑)。
映画の梶さんは、元敏腕刑事という設定とのことで、寺尾聡が微妙にかっこよすぎ。
でも、周囲のおじさんたちを「澄み切った目」で魅了していくんだから、
観客が見てわかるカリスマ性が必要だったのかも。
自分の目で、確かめてみることにいたしましょう。

ついでに佐瀬検事のイメージは、同僚的には三木良介なんですと。
いや・・・それはちょっと・・・どうなんでしょうか?
「三木良介、好きなん?」って聞いたら、その通りなんだって。
「うーん、でも、三木良介だと、顔がきれいで優しすぎますかね?」
はっ!?しかもその方向?
私の視界が狭かったのか、彼のファンだという人に会ったのは初めてだ。
私はあの人をかっこいいと思ったことが一度もない。すいません。
ていうかどういう人かよく知らなかったけど、自分よりかなり年上なのでびっくりした。
同世代かと思ってた。若く見えるという点では、溌剌とかっこいいのかもしれない。
映画では、佐瀬検事は伊原剛志さんで、自分的にはこの人の方がイメージどおり。

伊原さんは、ファンってほどではないが結構好きなほうの俳優さんだ。
内野聖陽さんを初めて認識したのは、他の多くの方と同じだと思うけど
NHKの朝ドラの「ふたりっ子」なんだけど、内野さんのクールで知的なかっこよさとは別に、
伊原さんは最高でしたよ。
どんどん話が逸れてきたので、あとでまた「ふたりっ子」のことは書きましょう。
by michiko0604 | 2007-03-11 00:09 | | Trackback