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DVD「スカイ・クロラ」

観てから3ヵ月も経ってしまいましたが、記憶を頼りに頑張る。

原作の謎とは多分別の解釈のストーリーでしたが、世界観は充分再現してくれました。
とにかく映像、特に空中戦が素晴らしい。タイトル前の一戦で既に涙目になった。鳥肌立った。
原作でも確かに詳細に描写されていて、丁寧に思い描けばイメージが湧くんだけど、
ちょっとめんどくさくて読み飛ばしちゃったような部分も、見事に映像になって目の前に。
物語の大きな要素、空の美しさと透明感、浮遊感、虚無感さえもきちんと漂う完璧さ。
映画館で観る値打ちがあったかもしれない。行きませんでしたが。
トータルでは非常に満足。新作が終わったら、また借りようと思う。

で、それはそれとして、ちょっと気になったところを挙げておきます。

キャラクターですが、おかっぱのクサナギは、やっぱりちょっといただけないですね。
クサナギに見えません。映画は映画として受け入れましたが、ここは満足とは言えない。
カンナミも、変に丸顔で、しかもでかいし、あんまりカッコよくなかった。
というかそもそも、彼ら二人だけ、妙に人形じみた、怪談もののように不気味な造詣でした。
何故か「雨月物語」のイメージが浮かんだし。
トキノやミツヤ、フーコなんかはちゃんと人がましく、美しいデザインなのに、
わざとなんでしょうけど、主要二人だけ気持ち悪い。神秘的な要素を持たせようとしたのかな。

ササクラがおばさんになったことは、まぁ、通します。
原作どおりのササクラだったら、もっとたっぷり見せ場が欲しいから。

声優さんについては、とりあえず強い不満はありません。
菊地凛子さんの評判は良くなかったけど、私は別にいいと思った。
でも、クサナギのデザインがイメージどおりだったら、もしかしたら落第と思ったかも。
加瀬亮さんのカンナミは、普通によかったと思います。素朴で清潔そうで。
谷原章介さんは、自分のトキノのイメージとはちょっと違うけど、とても上手だった。
特に素晴らしいと思ったのは、ミツヤの栗山千明さん。
ミツヤに思い入れはなかったので、誰でも良かったけど、
彼女が演じてくれたから、ミツヤが何故かいとおしくなりました。

ユダガワが無駄に美形で、インパクトがすげぇ強い。
強すぎて、復活してきても、別に新聞をたたむ癖とかなくても、
全くもって本人にしか見えなかった。ちょっとそれはどうかと(笑

そのユダガワや、ラストではカンナミも戻ってくる、ということは、
映画版の復活劇はクローン技術なんだろうな、と思った。
明らかに戦闘で身体は木っ端微塵になっているから、同じ入れ物を再生してるのではない。
原作ではまだ、ソフトの再インストール(?)かも、と、確信が持てないでいますが。

ナ・バ・テアが一番好きなので、シリーズ化の期待も1ミリくらい持ってたんだけど、
ありませんね。残念ながら。
一番のクライマックスに繋がる、ヒガサワの墜落が別の場面に使われてしまった。
「かわいそうなんかじゃない!」ていうあれがなければ、ナ・バ・テアは成立しない。

ティーチャの扱いは、まぁあれでもいいと思ってましたけど、
彼を倒すことで何かが変わる、というオチは、自分的にはナシですな。
ティーチャはオトナですが、別に大人社会の象徴ってわけじゃないし、
あらかじめ運命として定められたゲームのラスボスでもないでしょう。
ティーチャは単にティーチャというひとりの人間ですがな。
いつか衰えて、意味もなくつまらん戦闘で死ぬでしょう。多分ね。
それこそ本望かと。

と、大体そんな感じで、原作とは別物ではありますが、
二次製作というまでは遠くなく、大変楽しませていただきました。
点数をつけるとしたら、90点ということで。
by michiko0604 | 2009-05-28 21:17 | 映画・TV | Trackback