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DVD 「重力ピエロ」

これも、個人的には原作よりよかった。わかりやすくて。 
キャストが申し分無く、切なく胸に迫る、きれいな雰囲気が良く出てた。
加瀬亮さんの存在感は言うまでもなく、岡田将生君の佇まいの美しさが出色です。
彼が予想以上に良くて、映画の評価も1割増しくらい。
そして、小日向さんのオヤジが最高。も、とにかく最高。髪フサフサだし(笑

子役二人の、そっくりさ加減が驚愕の域。
特に岡田君のほう。加瀬さんのほうは「ひどすぎる」と思ったが、似てるから仕方無い。
深刻なことほど明るく伝える、でもやっぱり胸は痛みます。
こどもたちが一生懸命で、健気で。

放火と落書きの謎解きは、原作ではゴチャゴチャとやっててそれはそれで濃く、
そこが好きという人もいると思うけど、映画は整理された分、そこはスカスカ。
でも私は、映画のほうが好きだ。あ、個人的趣味で養蜂の描写が好き。

ラストも、それでいいのかよという意見もありますでしょうが、
私は支持させてください。お伽話でも良いです。

という感じで、これも良い映画でした。74点くらい(微妙)。
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by michiko0604 | 2010-01-26 01:23 | 映画 | Trackback | Comments(0)

 原作よりもずっと良かったのではないか、と個人的に思いました。
 何せ、原作は、読んだハズなのに全然覚えていないくらいですんで(汗
 音楽に対して、あまり思い入れもこだわりも無いせいかも知れません。

 1975年(頃)、売れないロックバンドがつくった最後の曲、
 「フィッシュ・ストーリー」が、めぐりめぐって2012年に世界を救う。文字通り。
 (本当の端緒は、戦後間もなくの出版社である、とも言える)
 風が吹けば桶屋が儲かる、もしくはドミノ倒しみたいなもので、
 歌自体の力とも言い切れ無いところは痛いですが、
 すいませが私には、具現化された「フィッシュ・ストーリー」という曲が、
 良いんだか悪いんだか全然わからんので、そこは仕方無いという気が。
 「DMC」の、殺害せよ~って歌と同様に聞こえてしまうあたり、何とも。

 「5時間後に彗星が衝突して地球滅亡」という設定は原作と違うので、
 予告で見かけたとき「終末のフール」と混ぜてるのかと思ったが、それはなかった。
 ここは、原作の「2000年問題」みたいのより、ずっと判りやすくて良いです。

 時空を超えて4場面あるので、それぞれの登場人物だけは押さえませんと。

 1975年、バンドのメンバーの中で、ボーカル五郎君のビジュアルが突出。高良君。
       リーダーの伊藤淳史さんが、この映画の主演か?
 1982年、気弱な大学生、浜田岳さんは、そのまんま。
 2009年、森山未来さん、かっこ良過ぎてズルイですな(笑
        田部未華子ちゃんは可愛いです。
        泣くとこがわざとらしいですが、演出と見なす。
 そして2012年。 狂言回しの大森南朋さんがスキ!

 誰もが驚く爽快なラスト、ってほどでもないと思うが、後味よく笑えます。
 数秒で過去からの繋がりをおさらいしてくれるのも、親切。
 面白い映画でした。75点。売れないかも知れないけど(笑
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by michiko0604 | 2010-01-26 01:16 | 映画 | Trackback | Comments(0)

今年また新しくネットで仲良くなった理系の大学院生が、
読書の習慣が全くない、と言うので衝撃を受け、伊坂幸太郎作品を紹介してみた。
その時に、個人的なお奨めランクを自分で改めて考えてみたので、
次の話題の前フリを兼ねてメモっておきます。

①アヒルと鴨のコインロッカー
②ゴールデンスランバー
③チルドレン
④オーデュボンの祈り         
以上Aグループ。積極的に「好きな本」。

Bグループ⑤~⑨は順不同。普通に面白かった部類。
・ラッシュライフ
・魔王
・重力ピエロ
・終末のフール
・死神の精度

Cグループ。並。つまんないってほどでもないけど、特に何も。
・砂漠
・フィッシュストーリー

Dグループ。いや、キライってほどでもないけど、なんかいまいち。
・ギャング2作
・グラスホッパー

書いてないものは、まだ読んでません。
世間的には、ギャングやピエロの人気が高いんですよな。
もしかすると一般的な評価とはずれてるかもしれないけど、個人的にこんな感じ。

件の院生は、さすが理系の人の集中力ということなのか、
あっという間に文庫と古本屋で入手した8作を読破し、
その後もコンスタントに月平均4~5冊を読みこなしているんだそう。
「読書の習慣がついたことで、余暇が肉厚になった気がする」
とか言うので、そ、そんなもんですかね、でも良かったね、みたいな。

読書が趣味だからって別に偉いわけではないのだが、
本人が充実した気分になってるんだったら、それはきっと何よりなのであろう。
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by michiko0604 | 2008-12-29 01:44 | | Trackback | Comments(0)

いくらか現実とは違った設定の現代日本、舞台は勿論仙台。
ケネディ大統領暗殺事件を題材に取った首相暗殺、
突然犯人に仕立てられた普通の青年の、絶望的な逃避行の物語。
読んでいる間「それでもボクはやってない」と「1984年」の匂いがずっとしていた。
「1984年」には作中でも触れられてるので、意識されてるのは間違いない。
若い頃に読んで、ものすごく恐ろしいけど、徹底したアンチユートピアは斬新で衝撃的で、
ひところはその発想力に心酔させられていたくらい、印象深い作品でした。

今までの伊坂作品とは、ちょっと趣が異なるように思った。
会話のリズムやシニカルなユーモアのセンス、奥底の健全さは作風全開なんだけど、
ざっくりした全体の筋立ては、そんなに目新しいもんでもない。これはめずらしい。
でも、それが少しもマイナスになっていない。
全てのエピソードが伏線になっているので1行たりとも読み飛ばせない、
いつもながらの、トリック満載でにぎやかで贅沢な構成に加えて、
サスペンス色たっぷりのスピーディーな展開でどんどん先に引っ張られた。
ミステリーの王道を描く伊坂幸太郎、どうしたことだ。

一番印象的だった人物は、やはりキルオですな。
彼が主人公の青柳雅春に絡んでくる状況自体は、
ちょっとリアリティという点では苦しいかもしれないんだけども。
それでも、そのへんを含めて2,3回、猛然と涙腺に来る場面があるし、
孤立無援であまりに絶望的だった青柳くんの行く道に、
ほんの僅かずつ支援者の手が差し伸べられて、光が射すような射さないような、
そのひとつひとつに、少しずつ胸を打たれて涙が溜まっていく感じだった。

最後の1ページをめくるときには名残惜しくて呆然とした。
これが伊坂坂作品で一番好き、ということにはならないが(ぇ)、
一番夢中で読まされる力があった、面白かったと思います。
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by michiko0604 | 2008-02-24 00:02 | | Trackback | Comments(0)

種族間・個体間 ①

「アヒルと鴨」の映画の割と重要な部分で、原作と少し違ったところがあったように思う。
手元に本がないので、思い違いだったらゴメンナサイ。

ネタバレになっちゃうのですが、琴美ちゃんが車にはねられるシーン。
映画では、両手を広げて立ちはだかる彼女を、江尻は故意にはね飛ばしていた。
原作では、飛び出した彼女をよけることができなくてはねてしまい、
(いや、死ぬなら死ね的な未必の故意はあったかもしれないが、証明はされないような)
そのせいでハンドル操作を誤って、車もぶつかってしまう・・・んじゃなかったっけかな。
だから、死んでしまった仲間に罪を着せまくったせいもあり、
自分は、わずか2年後に社会生活を送れる自由の身になっている。

映画のように、警官の見ている前で明らかに殺意を持った轢き逃げだったら、
2年で許されるのは、ちょっとつらいんじゃないのかな。
それでも尚、あえてこういう変更になったのは、
ドルジの復讐に説得力を持たせるためなんだろうな、と思った。
原作どおりだったら、いくら根っから悪人だとしても、
相手も、人が二人も死んでいるし、もう痛み分けでいいんじゃないか・・・ていう方が、
普通の人の普通の感覚かも知れない。

でも、伊坂氏の原作はそういうのを許さず、人間の命に肩入れせず、
悪意を持って他者を傷つける者の、徹底した撲滅を追及する。
それは、人間と動物の命の価値を、ほぼイーブンのものと捉えてるからかな、と思う。
だからこそ、ドルジも最後には許されないのかも知れない。

そして自分はと言えば、どちらかというと原作の考え方に近い。
同じ伊坂作品「陽気なギャングが地球を回す」の中で、
「犬が人間に殺されるのを見るくらいなら、人間が犬に殺されるのを見るほうがマシ」
というような発言を、ある登場人物がするのだけど、
究極だけど、もしかしたら自分もそうかもしれない、と思ったくらい。
任意の人間よりも、任意の犬猫のほうがシンパシーがあるような気がする。
人間が犬を、というのは、悪意で、という但し書き付だけど。
犬が悪意で人間を殺すということは、ありえないもんな。
そして、私がそう発言したことで以前、
普通の感覚、かつ議論好きなネットの若い友人と、ちょっとした議論になった。

中途半端だが、時間切れになってしまいました。
だいぶ長くなっちゃったことだし、いったん投稿しておきます。
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by michiko0604 | 2008-02-04 22:01 | 雑記 | Trackback | Comments(0)

映画化の噂を聞いたときから、ずっと楽しみにしていました。
そろそろかなぁと思って調べてみたら、1月25日にリリース済、ビデオ屋さんに急行。
それなりに評判ではあったけど、派手な作品ではないから、
置いてなかったらどうしよう、1本や2本はあるかな、
好きな人は好きだろうから売り切れかも、
なんとか縁があって残ってるといいな・・・と、ちょっとドキドキしながら。
全くの杞憂でして、大変大きな扱いで16本も入っていて、そのうち6本残っていた。
「うわ、うれっし・・・」と、棚の前で声をあげてしまいましたよ、オバサン。
昨夜はダンナが飲み会だったものですから、夜、リビングを占領して、
ひとりでゆっくり晩酌しながら、じっくり堪能。至福でございました。
感嘆するくらい期待通りの出来栄え。泣きましたし。

映像化不可能といわれたトリックの問題は、全く自然に解決されてました。
特に奇を衒うこともなく淡々と。なんだー、ほんとだ、これでいいんじゃん。コロンブスの卵。
原作をきれいに整理して、重要なエピソードをきちんと拾って、忠実に誠実に丁寧に。
ただそれだけでよかったのね。
クロシバやシッポサキマルマリが出ないのは、まぁ仕方ないか。残念だけど。

いつもみたいに小うるさい視点で重箱の隅をつつけば、
突っ込みたいことろは結構あるんだけど、もうみんな流す。
襲撃シーンで、あれだけ中で騒いでるし、車の音だって大きいし、
椎名くん、いくらなんでも気づかないか・・?というのだけは、ちょっとひっかるけど。
そして、松田龍平さんは、よく絶世の美男子役を当てられるけど、
ぜんぜんかっこよく見えないんだよな・・・というのもツライけど。でももうよし。

もともと思い入れの強かった、瑛太の河崎と関めぐみの琴美ちゃんが、
それはもうせつないくらいにいとおしかったのは勿論のこと。
さほど注目していなかった椎名くんとドルジが、も、すっごいよかった!
伊坂作品では、平凡でおとなしい小市民的な人が、
常軌を逸するくらいエキセントリックなキャラに振り回されながら、
狂言回し的な主人公を演じる話が多いけれども、その代表である椎名くん。
ほんと平凡でヘタレでかっこ良くはないんだけど、その真面目さがおかしい。
なんの力もないけど誠実で、やさしくてくかわいらしく、最後までかっこ悪いのに、
物語にきれいな芯を通してくれた。心の底から健全な彼がいると、ホッとできた。
どんどん存在感を増してきて、映画が終わる頃にはファンになりました、濱田岳さん。
そして、チョイ役かと思ってたドルジも。田中さん、ちょっと注目だ。
ドルジだと思って見れば、ほんとにドルジにしか見えないところが素晴らしい。

昨夜一回観て、今日仕事から帰って来てからもう一回観た。
できることなら、原作を知らない状態で、もう一回観たい。無理だけど(笑)。
ドルジの退場シーン、映画だけだとどのようにも解釈できるから、
原作を知らないでいたほうが良いかな、なんて、全く自分らしくないことがよぎったり。
それだけ、深く大切に感じられた作品でした。満足です。
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by michiko0604 | 2008-02-02 23:22 | 映画 | Trackback | Comments(0)

買おうかな、と漠然と考えてたんですけど、図書館で久しぶりに見つけたので再読。
ミステリーを、トリックが解けた状態で読み返すというのはどうか、という時もあるけど、
これは、読み返してよかった。一度目とは全然違う味わいがあったし。
一度目は、どうしても筋を追うことが主体になるけど、再読は行間が読める。
自分にとっては、価値のある本は、常に読み返す意味がある。

「シッポサキマルマリ」悪魔の言葉か(笑)。伊坂氏素敵だ。

「外人だと分かってたら、相手にしなかったろ?」
これがメインテーマのひとつだってことを、今更ながらに再認識したのは間抜けかも。
まさにそういうタイトルだというのに。
あからさまな排除はしなくても、単一民族の習性は拭いがたい。
自分でも自信はない。偏見とまで言うつもりはないけど、見る目が違ってしまうかも。
でも、椎名くんが最初の言葉を肯定するのは、人種的偏見とは別なのが、
救いでもあり、ちょっと笑えちゃう部分でもある。

「外人」は、差別用語に指定はされてるのかな?ニュアンス的には微妙なとこだけど。
おお振りでも、書くの忘れたけど、アニメの第一話ではっきり原作と違ってた部分。
原作での「外人部隊」は、これが一般に言い習わされてる言葉なのだから、
アニメで「外国人部隊」と言い換えられてたのは不自然でもあり、
仕方のない配慮なんだろうな、とも思った。電波は厳しい。

軽妙な文章だけど、あんまり救いのない悲しい話、これも再認識。
ドルジの退場シーンを覚えていなかった自分に愕然(汗)。
琴美ちゃんと河崎は覚えていたんですけど。
伊坂作品的なひとすじの希望はあるのだけど、シニカルだなぁとも思う。
それでも、再読中にずっと、せつないような感傷的なような空気をずっと感じて、
読み終えるのが寂しいような親密な思いを寄せることができたので、
幸せな読書体験でした。

早く映画が観たいです。
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by michiko0604 | 2007-10-18 01:42 | | Trackback | Comments(0)

読んだのは去年の4月だったようだ。前の日記から引っ張って来ました。ちょい編集。

「5冊目の伊坂氏。これが一番良かった、私的には。
数学的パズル風味の構成に感嘆し、
洒落た軽いユーモアにまぶされた文体に思わず笑わされ、
ちょっとシニカルだけど健全で優しい感性にほろりとさせられて来たわけですけど。

「チルドレン」も基本的には同じですな。とにかく陣内君が魅力的。
なんでこんな人物描けるんだろう、常識外れでうるさくてうっとうしくて無茶苦茶で、
友達だったら迷惑だと思うんだけど、つい笑っちゃうし、なんかかっこいい。
ていうかなりかっこいい。パンの耳なのに(笑)。彼の歌が聴きたくなる。

ほんとうはちょっとこれは、今までよりおしゃれレベルは下がってるかもしんない。
泥臭さと言うか説教臭さというか普遍的な感動狙いと言うか、
ちょっと重松清っぽい感じが(酷いか?)3ミリくらい。
全体ではなくほんのちょっぴり、一部分になんだけど。
陣内君のエキセントリックさに幻惑されるだけで、結局まっとうすぎるんだ。
井坂氏の本領、あの世界観を愛するファンには、たぶんちょっと物足りない。
でも結局私にはそこが良かった。一番心に残った。

大人になった陣内君は、なんかとてもありえなさげな「家裁の調査官」になるのだが、
私もちょっと、それに近いような職業を、若い頃に思い描いたことがあるせいで、
ひとつプラスのシンパシーがあったかもしれない。
でも、きっと私は陣内君の後輩の武藤君のように、
カウンセリングした高校生に同情したあげくに
まず間違いなく騙されて、自信喪失して迷いに迷って凹みまくって、
続けることはできなかったと思われ。私とても騙されやすいので。
そんなときに陣内君みたいな破天荒な人が、
真似しちゃいけないやりかたで鮮やかな解決を導いた末に
「少年を更生させるなんて奇跡みたいなことだな」という悲観的な正論を否定しないまま、
「俺たちの仕事は奇跡を起こすこと」と断言してくれたら、あまりにかっこよくて、
結局ついていけちゃったかも。でも彼、言うことがころころ変わって無責任だけど。

これは一応短編集の体裁で、他にも魅力的なキャラと展開があります。
レトリバーのベスとかね☆ すっごいこの犬素敵。
彼女が本気で張り合うのも理解できちゃいます。
や、もちろん間に入った彼氏も、相当なものですよ。」

・・・と、ここまでが当時の感想。これドラマ化されたんですよね。
うちWOWOW入ってないので見られなかったんだけど。
陣内君が大森南朋で、武藤君が坂口憲二だったような。逆でも良かったけど、
大森南朋さんってよくお名前見るんだけど、全然顔覚えられない。すいません。
読みが「おおもり なお」だということも今知った。
だからぜんぜんイメージがわかない(笑

「アヒル鴨」の映画次第では、そっちが単独一位になるかも。
映画の前評判はとっても良いらしいし。見に行きたいですが多分無理だし。
でも「ギャング」も、公開前も公開後も評判良かったけど、自分はダメだったので、
あんまりつんのめった期待はしないでおくけど。やはり楽しみ。
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by michiko0604 | 2007-06-18 21:49 | | Trackback | Comments(0)

読んだのは結構前なんだけども、映画の公開が近く、新聞で紹介されたので。

映画化の噂を聞いたときに、他の多くの人と同じように驚き、心配になった。、
この作品の最大の仕掛けは、映像になったら成立しないのにどうやって?
でも、お話の主題は、謎解きで驚かせることよりも別のところにあるのも確か。

伊坂作品には、よく、人の心のないとんでもない悪人が出る。
同情の余地ゼロで、クロスファイアの淳子に焼き払われて当然、みたいな。
最初にわざわざ、「動物虐待はフィクションです」みたいな断り書きがあったんで、
あーそういう場面があるんだなぁ、と引いたけど、実際、その部分かなり辛かった。
伊坂氏は、作品を読む限りでは動物好きで、任意の人間よりも動物の方に
シンパシーを感じてるのではないかと思わせる描写がたくさんある。
オーデュボンでもそうだったし、ギャングの中でも少し。
それについて語るとまた長いので後にして、だから、動物をいたぶる人間の描写は、
ほんっと許しがたい極悪人である状況が、すっごい拡大されて迫ってくるので
かなり効果的ではあるんだが、その分リアルに感じすぎて、気分悪くなる。

でも、それでもこのお話が、伊坂作品の中で、一位タイくらいに大好き。
同点でチルドレン。次点でオーデュポンかしら。重力ピエロやなんかは、その次。
ギャングは一番下。すいません。

ヒロインの女の子が、とても魅力的。
見た目がかわいいのか、おしゃれなのか垢抜けてるのか、そういうのはわからんけど、
とてもとても心がきれい。健全でユーモアがあって、正義感にあふれて、
押し付けがましくないけど、ポリシーがある。
「普通」のエリアから逸脱しないまま、周囲に影響を与えていく、他人の心に残る、
一般論ではない意味で、誰かにとって特別になる女の子。
その魅力が、物語のメインの筋立てにがっちり絡み合う形で、
しっかり印象付けられる。残酷な話なのに、軽妙で洒脱な文章で。

だからこそ、最後にどんどん謎が明かされ、意味不明の行動が繋がり、
そこから、今はもういない、かけがえのない人への哀惜と思慕、
とりかえしのつかない痛みが、ものすっごく切なくリアルに共感させられて、
胸が苦しく、目頭が熱くなるんです。

映画を見たら、泣いちゃうかもしれません。楽しみです。DVDになるのが(ヘタレ)。
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by michiko0604 | 2007-06-17 00:18 | | Trackback | Comments(0)

伊坂作品の新作が、こんなに早く読めるとは思わなかった。ついてました。

と、言っても。そんなにすごく良くはなかったですかね。
特に仕掛けもなく。軽妙な会話のお洒落さ加減は健在だったものの、
読み終わって何が残るというわけでもなかった。
自分的に黒澤さんのファンなので、彼がエピソードを回してくれるのは嬉しかったけど。

4つの短編のうち、それでも一番気に入ったのは、冒頭の「動物のエンジン」です。
これには黒澤さん出てないし、仕掛けも肩透かしで地味で何のこともないんだけど、
動物好きの人には、これはちょっと来るんじゃないかと思いました。
いなくなったオオカミに寄せる哀惜。シンプルだけど。

あとはまぁ、最後の「ポテチ」がまずまずだったかしら。
らしくない古さや陳腐さも感じたんだけど、「いい話」でしたから。
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by michiko0604 | 2007-04-19 23:40 | | Trackback | Comments(0)