タグ:本・「さ」行の作者 ( 21 ) タグの人気記事

中学2年の隼太が、母親の再婚相手の優ちゃんのDVと戦う話。
「優ちゃん」ではなく、「DV」と戦う。

結構斬新な切り口で、「DV」を扱ってる割に経過は爽やか。
隼太はクールで賢く、大人びた中坊だが、
夜の暗闇と一人ぼっちが超絶トラウマになっていて、
DVだろうと新しい父親との暮らしを死守しようとする。
普段は優しい歯科医の優ちゃんは、
自分でもどうもならない謎の発作スイッチがあるらしく、
明らかに善人なのに、気の毒と言えば気の毒。
そして母親は、料理上手で明るくて優しくて働き者らしいが、
何しろ致死レベルに目が節穴。
そんな素敵家族の春夏秋冬(違)と、
隼太の楽しくてちょっぴりビターな中学生活。

というわけで、うん、ありきたりじゃない人物像と展開、瀬尾作品ですね。
えーと、悪いわけじゃなくつまんなくもなかったですが、
私が瀬尾作品に期待している面白さはありませんでした。
ユーモアの種は蒔かれてるんだろうけど、発芽してません。
そうなると、なんか、単なる嘘くさい作り話になっちゃうんですよな。

ちょっといまいちでした。
[PR]
by michiko0604 | 2010-08-24 21:07 | | Trackback | Comments(0)

若い作者さんで、時々文章が生硬く感じるのは相変わらず。
でも、なんだかんだ好きですね。
オーソドックスなくらい、雰囲気がきれいで切ない。
期待した通りの気分にしてくれます。

表題作が前後編の扱い。
「恋人を亡くす話」はハードルが高い、とはご本人の後書き。
私も実は、恋人を亡くす話には不当なほど点の辛い読者なんですが、
これは気にならなかった。延々と身も世もなく泣き崩れるような話ではないし。
展開はねー。いまいちリアリティに欠けるかもしれないですが。

加害者に近い五十嵐くんの空虚な孤独が、ブラックホール並であるらしいのが、
けっこう身に迫ってくるみたいで怖かった。すごいマイナスオーラ。
で、それが彼の魅力のように感じさせることに成功してるのが、スゴイと思う。
「一生そばにいて責め続ける」という選択肢も、
アリなんじゃないかと思えてしまうほど。
五十嵐くんみたいな人と関わったら、私は深入りして身を滅ぼしそうです。
身じゃなくて、精神的に、か。

あと、短編2本。
「冬の動物園」と「野ばら」
私は表題作が一番好きですが、「野ばら」の評判が良いみたいですね。
高校生の、淡いけどラストが突き刺さるように切ないラブストーリー。
年代の近い方は、こちらが良いかも。
[PR]
by michiko0604 | 2010-08-24 20:40 | | Trackback | Comments(0)

ちゃんとレビューしてないですけど、同じ作者の
「赤朽葉家の伝説」という大作がありまして、割と傑作です。
山陰地方の、製鉄業を営む旧家の三代の女性の物語で、
3章のヒロインである瞳子が平成の始め生まれ、
2章がおかあさんの毛毬、1章が、おばあちゃんの万葉の物語。
自分に当てはめると、それぞれ、子ども・自分・親の年代にほぼストライク。
歴史小説っぽくもあり、ミステリーっぽくもあり、ファンタジーっぽくもあり、
この作者のことだから文体が面白くて、どんどん読まされてしまってまずまずだけど、
どう見ても、文句なく傑作なのは第1章だけ。
山の異民族の落とし子である「千里眼奥様」万葉の魅力で、
最後まで引っ張られてしまうものの、進むにつれてグダグダにつまんなくなる。
3章なんか、どういう結末だったか殆ど覚えていないくらい。

そこでこの「製鉄天使」ですが。
名前で借りて、最初の1ページで後悔した。
私が全く共感できず、関心も持てない、ヤンキー暴走族の話だったから。
それでも渋々読み進めて行くと、なんと驚いたことに、
これは「赤朽葉家」の2代目・毛毬のレディース時代の話を、
名前を変えてエピソードをふくらませて、書き直しただけでした。
何がしたかったんだ桜庭一樹(再)。

しかし、読まなくてもいいかな、と過ぎりつつ、
読んでいたら結構面白くて、ばかばかしいと思いつつも、
最後まで読まされてしまったというのは、やはり作者の力なんでしょうね。
でも、最後まで読んでもやっぱり、何がしたかったのかわかりませんでした。
最後までふざけていた。

よほどこだわりのある素材だったのか。
ライトノベルに仕立ててみたかったのか。
もしかして自伝なのか。
結局よくわからないまま、付き合ってしまいました。
[PR]
by michiko0604 | 2010-03-16 21:08 | | Trackback | Comments(0)

直木賞受賞後第一作だそうで、確かになんとなく、
「私の男」と印象が似てるところがあったような。
筋立ては遠いんだけど、なんとなく息の詰まる感じが。

第一部と第二部は、雰囲気が全然違う。
第一部は、美しいけどしょうもないママと、
言葉の出ない幼ない主人公の、ふたり逃避行の話。
老人ばかりの「城砦都市」や、海の近くの温泉地、
屠殺場を中心にした人工的な街、金持ちの庭のオブジェ。
彼女達は何かに追われて、民話みたいな幻想のような、
ありそうでいてどこかおかしい、不気味な場所を転々とする。
滑稽で残酷で、悪趣味な銀河鉄道みたいだと思った。
嫌いな人は全然だめだろうけど、桜庭ファンであれば、
この第一部は普通に味が濃く、面白く感じるのではないでしょうか。

第二部は、崇拝するママを喪った主人公の、成長物語。
これはもしや自伝かと、「嘘しか言っちゃダメなゲーム」の中の一話かと、
そう思われるように生々しい、あるエキセントリックな作家の誕生の過程と、
美しくはない、ダラダラしたその後。
第一部とは別の意味で、万人向けじゃないと思う。
冗長、冗漫。退屈。主張が痛い。恥ずかしい。押しつけがましい。
そう感じる人も、絶対いるだろうと思った。

でも、私は捉われました。
この超音波的な何かが、個人的なアンテナにかかる人がいると思う。
序盤の学生時代、デビュー前の文壇バーは少々退屈。
でも、弟との確執から出奔、「ポルノスター」の章は、出色。
その後の筋立ては、小説的にはグダグダかもしれないけど、
私は、ラストで涙が出た。いろいろ間違っているとしても、
この恋人が、離れないでいてくれて。
評判は良くなさそうだなぁと思うけれど、いろいろ欠点も目立つけど、
私は好きです。
それはわりと、しょうがないことです。
[PR]
by michiko0604 | 2009-11-27 18:30 | | Trackback | Comments(0)

小説「荒野」 桜庭一樹

というわけで、東京単独行のお供として無聊を慰めていただいた本。
まぁ、簡単に。

少女小説でした。
奔放な女性関係を芸(?)のこやしにしているらしい、「蜻蛉のような」性愛小説家の父をもった、
山野内荒野という女の子の、12歳から16歳にいたるまでの、浅い青春の日々。ですか。

なんかもう、その微妙な時期がフラッシュバックしてくるような濃密さで、
なまなましいというか、むしろなまぐさいほどの気恥ずかしいリアルさ。
こういうのが好きな人には、たまらんような名作なんだろうなと思います。
いや、ほんとに。この作者独特のせりふ回しや雰囲気もね。
みずみずしい、という言葉で賞賛されても当然なんでしょう。
悪くはなかったです。でもすいません、良くもなかった。

和風の容姿で、父親の影響で接触恐怖症気味で、感受性は豊かだけど早熟ではない、
むしろ幼さを強く残したおとなしい荒野。でも巨乳(笑)。
そんな彼女にスレスレに近づくオトナの世界は、順当だったり唐突だったり。
父親の周囲に濃く立ち込める情事の気配とか、愛人たちとか、
いちおうの勝利を収めて再婚し、義母となる人との距離感、とか。
そしてその人の連れ子(同じクラス・・・・)との、
少女マンガ的には意外とオーソドックスかもしれない恋愛の行方、とかね。

12歳、13歳、14歳と、少しずつ変化していく中で、
些少なのに明確に書き分けられる差異の鮮やかさは見事かもしれない。
ああ、でもごめん、やっぱり苦手な部類ですな。

灰谷健次郎の「少女の器」を思い出したが、あれよりも苦手に感じると言うのは、
それこそが作者の手腕ってことなのかも知れないけど、
まぁね、とにかく際どい所で恥ずかしさと痛さが勝ってしまって、個人的にはもうひとつ、でした。
ごめんなさい(三回目)。
[PR]
by michiko0604 | 2009-05-08 01:40 | | Trackback | Comments(0)

タイトルが凄い。
桜庭一樹さんをちょっとでも知ってて、このお耽美な表紙に引かない人ならば、
これは結構外れなく満足出来る作品なのではないでしょうか。
人生の指標になるとか、価値観の方向が変わるとか、そういう種類ではないですが、
香りと風味を味わう分には、充分美味でございました。

青春小説でもあり、家族小説でもあり、恋愛小説でもある。動物ものでもあるのか(笑
芝居がかって微妙に文語体の会話は、ユーモアと解釈できればなかなか心地よい。
少女七竈が、異形といえるほどに美しいことには、さほどの必然性はないと思うが、
それ自体がテーマになってるんだから、ここはそのまま受け入れよう。
私にとっては、七竈はそこまで美しくなくてもこの話は成立するが、
言いかえればそれだけ、いろいろな読み方が出来るある意味贅沢な内容でした。

七竈と雪風の、青春・友情・初恋の甘酸っぱさは、いくらかねじくれてはいても可愛らしい。
彼らは美しいけれどとぼけてて、謎のペーソスに満ちている。変なとこで笑える。
引退した警察犬ビショップの鷹揚さと頼もしさも、動物好きのツボに来る。
じいさんっていいなあ、みたいな気持ちにさせられるのが不思議。

でもやっぱり、一番感情移入したのは、七竈のいんらんな母親、優奈さんでしょうか。
冒頭で「辻斬りのように」突如男遊びを始める彼女には、
もしかしてこの本はある種のホラーなのか?と3センチくらい引いたのだが、
終盤再び彼女が物語の語り手になる章で、その行動の理由が明かされる。
それは、ホラー(違)を現実に引き戻すありがちなわかりやすさともいえるが、
その分たいへん共感しやすくて、気味の悪かった彼女がひどく身近になった。
(こどもに対して無責任な部分だけは、何があっても共感しませんが)
雪の中に覗く真紅の七竈の実のように、とても鮮やかな転換です。
わけのわからんことを言ってしまってすいません(笑

でもそれが結局、この作品の感想を象徴してるのかもしれないですね。
[PR]
by michiko0604 | 2009-04-14 01:32 | | Trackback | Comments(0)

大学生の双子、姉と弟の物語。連作短編集のような、結果長編小説のような。
作者によると、青春小説や恋愛小説というより、モラトリアム小説なんだそうです。
そういわれてみれば、そんな感じ。

薄い感じで入りましたが、エキセントリックなおねえちゃんと、
彼女に振り回される温度の低い弟くんの人物描写がなかなか秀逸。
狙ったような軽いお笑いシーンも、ギリギリ受け入れられるかな。
恋多きおねえちゃんの、理解者兼ストーカー経由恋人の熊野氏が魅力的。
彼の登場で、一気にハマりましたかね。

若い作者さんで、ちょっと言い回しが個人的な好みから言うと生硬く感じるときもあるんだけど、
でも不思議なくらい、ああわかるそれ、みたいなオーソドックスな感性も沁みてくる。
弟くんの価値観やラストの選択は、青春小説としては多数派とはいえないかも知れない。
でも、私は、これもアリなのではないかと思いました。

琴線に触れるもののあった、好きな部類の小説でした。良かったです。
[PR]
by michiko0604 | 2009-03-18 17:05 | | Trackback | Comments(0)

普通の文庫本一冊にまとまった、内容濃く読みやすい慶喜本。
とにかくもう歴史のイベントが目白押しで、目の回るような忙しさだけれども、
多分これでも、目一杯要領よくまとめてあるのだろう。

慶喜の通説的な評価を一言で言えば、「一人大阪城を逃げ出した腰抜け」かな?
この本を読めば、そこに至るまでの慶喜の熟慮の過程もよくわかるし、
側近を次々奪われ、どんどん孤立無援に陥って行きながら、
周囲の過剰で無責任な期待ばかりが重くのしかかっていく様子は気の毒なくらい。
でも、本人がそのことをさほど深刻に受け止めてなさげなのが、救いといえば救いですか。
大局を俯瞰する眼力がありながら、好まざる敗軍の将を担う羽目になる世紀の貧乏くじも、
悲愴に陥らずに、結構さばさばとやり遂げてしまっているようにも見えます。
ほんとうに高貴な心のお方なんですねぇ・・(笑
何でもできる英邁な人でもあり、他人の心に斟酌しない、生粋のお殿様でもあり。

前述の「大阪城バックレ劇」のとき、会津藩主で新撰組の親玉・松平容保だけは
純粋に慶喜を心配して、護衛についてくれるのですが、
「よ、よかった。まだ慶喜に味方してくれる人がいた・・・」
などと、こっちは今までの孤立っぷりにハラハラしてた分、少しホッとしたのに、
そもそも容保を連れて出たのは会津に対する人質に過ぎなくて、
しかも無事江戸に着いたら彼のことは邪魔だから捨ててしまう、とか。おい(笑
さすがにここは「ヒデー(笑」と、声に出してしまいましたよ。
優しい人ではないですねぇ。そうそう人間的魅力に溢れたヒーローとは行きません。

女性なしでは一晩もいられない、エロ殿様ぶりも苦笑しちゃうし、
まぁそもそも、父親の斉昭公もそうだったみたいだけど。
京の宮家からお姫様を正妻にもらうのはいいけど、
ついてきた女官に手当たり次第に手をつけまくってしまい、
次々におなかが大きくなる彼女達を見て、正妻の姫が、
「どうしたみんな、病気か?」と心配したという・・・ってこれは別の本だったかも(汗
やはり京から来た、才色兼備の女官「唐橋」も、
手をつけちゃったら大奥にあげられなくなるからと言って慶喜は我慢してたのに、
斉昭公にお使いに出したら、ついでにぱっくり食べられてしまった、とか、
ここいらへんはもう、ヒド過ぎて滑稽で笑うしかないですわね。
食い散らかされた女の人たちには申し訳ないですが。

将軍に就いてわずか2年で、慶喜は政権を返上して表舞台から姿を消しますが、
その後は趣味三昧で楽しく暮らしたというあたり、凡人と違ってて素敵ですな。
権力なんか、ぜんぜん執着ないんですもんね。
徳川16代当主になる家達さん(44話に出てた亀君?)と、
引退後はそれぞれ別のルートで静岡に移るらしいのですが、
お供が多くて経済的に四苦八苦する家達サイドの家来達を尻目に、
珍し物好きな慶喜が自転車に乗って遊んでいて顰蹙を買ったとか。
そういうのってほんと、すいませんが笑っちゃう。堂々とKYを貫く男。素敵(笑

薩摩だけは生涯キライだった、っていうのも、個人的にはよく気持ちがわかりました。
長州は初めから倒幕を掲げていて、爽やかなほどはっきり敵だったからキライじゃなく
薩摩は、味方みたいな顔をしていてだまし討ちをしたからキライ、というのも、
価値観がわかりやすくて好感が持てますわ。
勿論、手段を選ばない力強さで目的を遂げた薩摩は凄いのですが、
慶喜視点で見れば、極悪人は二枚舌の薩摩なんでしょう。いいじゃん、それで。

そんな感じで、知りたいことがいろいろ勉強できた、面白い本でした。
慶喜はいい奴じゃないかもですが、やっぱり私はわりとスキです。
「篤姫」の慶喜の、あまりのマイナスオーラに当てられてこんなに勉強してしまいましたが、
あの暗い俳優さんも、これから私、少し追っかけちゃうかもしれないですねえ。
ほんとここまで来ると、私ってやはりゲテモノ好きなのか?という疑問も再燃か。
それはそれでいいじゃん!(開直
[PR]
by michiko0604 | 2008-11-06 18:30 | | Trackback | Comments(0)

メモにも書きましたが、賞を取って話題になり、名前は聞いていたものの、
ベタベタな恋愛小説なのかなーと思っていて、内容は全然知りませんでした。
たまたま目に付いて借りてみたんですが。

恋愛小説には違いないんだろうけど、原点は家族愛か。
いや、もっと深くて重いにしても。自分のツボは、今は恋愛より家族。それも再認識。
近親相姦も、小さい女の子と大人の男の性交渉も、生理的にすごい苦手。
ストーリーに引っ張られるのと、無条件で見たくないものから引こうとするのと、
真逆のベクトルの綱引きで結構消耗しながら、それでもぐんぐん読まされた。

彼ら二人だけの閉じた世界は、ねっとりと濃密過ぎて胸焼けしそうだったけども、
ていうかはっきり言って気持ち悪かったんだけれども、
それでも尚、自分にとってもこれが傑作だという結論になったのは、
時系列的には遡って物語の発端となる、最終章に泣かされたことが大きい。

逃げ惑う大災害のパニックの中で、転んでしまうお母さんと小さな妹、
駆け戻るお父さん、そして夜遊びしていた中学生のお兄ちゃんも、
最後に間に合って家族がそろう、あのシーンです。ネタバレすいません。
次の瞬間に津波に呑まれて散り散りになる大悲劇であるとしても、
終わりのときを共有できた彼らは、それでも幸せだったと思ってしまったし、
だからこそ、その場から疎外されてしまったヒロイン花の、
引きちぎられるような喪失感と孤独が、ものすごく鋭く突き刺さってきた。
おとうさんの「生きろ、がんばれ」という言葉の残酷さ。言い尽くせない。

同じように巨大な空洞を抱えた養父と、寂しさを埋めるために
狂気のように混じりあってしまうのにも納得できました。
寂しさがどれだけ大きなマイナスエネルギーになるか、まだ辛うじて覚えてる。
唯一無二の自分達の世界を守るために、犯罪に走ってしまうことにも。
第一章=ラストシーンで、花が半身をもぎ離すように社会に戻る意味の大きさも。
嫌いな話なのに共感させられてしまったのですから、やっぱり傑作だということです。
でもやっぱり、嫌いだけどね・・・。
[PR]
by michiko0604 | 2008-09-26 21:40 | | Trackback | Comments(0)

雫井さんは、若い友人にずっとミステリー方向を薦められていたんですけど、
ついここから入ってしまいました。エリカ様のアレで一躍脚光を浴びたこの作品。

ミステリーっぽいところがあるのか、超常現象でも起きるのかと思って進めたけど、
最後まで、映画の宣伝で流布されたあらすじ以上のことは何もありませんでしたわ。
ひねりも落とし穴もサプライズも、なーんも。すっごいオーソドックス。
でも、つまんなかったかっていうとそうでもなく、まずまずでしたかね。
読みやすかったし、主人公のとぼけぶりはリアルで、万年筆のウンチクも面白かった。
かわいいラブストーリーと平行して語られた、灰谷健次郎的学園ワールドには、
ちょっと不覚を取って涙目になってしまいましたし。
ここだけは実話だったんですね。サプライズと言えばここがそうだったか。
灰谷作品は、キライな人もいらっしゃいましょうが、自分は好きです。
「太陽の子」よりは「兎の眼」ですよね、これ。どっちも好きだけど。

鈍感で無神経な隆がなにげに魅力的で、香恵ちゃんの片想いに感情移入してたので、
ラスト結局「どうなったんですか!」みたいな物足りなさは残るものの、
まぁこんなもんかなー、くらいの、好意的なほうの読後感ですので良し。

映画も、気になった隆が、キャスト伊勢谷友介さんで好きな人なので、
(伊勢谷さん、ほんと何にでも出てるね・・・笑)、
観てみようかな、という気になってヤフの映画レビューを探してみたのですが。
有用度の高いレビューが、どれもこれもエリカ様バッシングばっかしで、
映画がどんなもんだかさっぱりわからなかったのには笑えました。
先入観なしということで、借りて観てみましょうかね。
[PR]
by michiko0604 | 2008-08-04 17:28 | | Trackback | Comments(0)