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まほかる映画化2題

この秋に、沼田まほかる作品が2作、続けて映画化されると聞きました。
どっちも読んでたので、どんな話だっけかなーと思い出しつつ小メモ。


・「ユリゴコロ」

 息子が就活の移動中に読む本が欲しいというので貸してた。
 返さなくてもいいと言っちゃったので、もう読み返せぬ。



 末期ガンの父親の部屋で見つけた、誰かの古いノート。
 「ユリゴコロ」を持たない作者の、人殺しの記録。創作?日記?

 母がどこかで別人になっている、という、根拠のない不安。

 並行して、主人公に降りかかる事件。
 婚約者の失踪。それから。 

 えーと、面白かったですよ(小並感)。
 ちょっと冗長ですが、謎が散りばめられて引っ張られて、
 不穏で不気味で時々グロくて、まほかるっぽくて、
 いろんなことが起こり、それなりに収束します。
 どんでん返し的なところもいくつか。
 勘の良い人は、どこかで気づく。

 そして、ラストは謎に爽やかに感動的です。
 こんなたくさん血が流れた果てにこれでいいのか。
 ・・うん、いいんじゃないかな。

 人に聞かれればオススメの部類。

 映画のキャストは、松坂桃李、吉高ちゃん、松ケン。他。
 桃李は主役ですが、この役は誰でもいいので、これで良し。
 あー、吉高ちゃんはアリだなぁ。少女時代のおふゆちゃんも、まぁアリか。
 松ケンはちょっと違うんだけど、まぁ良し。

 豪華ですね。見には行かないと思うけど、見たい。
 楽しみ。ヒットするといいな。
 


・「彼女がその名を知らない鳥たち」

 ええっとー。これは、根気が要るかもしれません。
 クズ女とキモ男の不愉快な描写がめちゃくちゃ長いです。
 ヒロインの十和子が、とっても身近な感じのクズです。

 30ちょいで無職、年の離れた陣治と同棲して養われ、
 家事も一切せず、夜にサービスするわけでもなく、一日DVDを見て過ごし、
 その暮らしを支えてくれる陣治を徹底的に嫌悪し、見下し、
 日々の退屈と鬱憤を晴らすために時々クレーマーになる。
 で、浮気をする。忘れられない昔の恋人に似た感じの、若い既婚者と。

 で、彼らの周りに起こる不穏。
 彼女は陣治を疑い、昔の恋人の失踪についても疑いだす。
 陣治が彼を殺したのではないか・・みたいに。

 十和子のクズさと、陣治の薄汚さ見苦しさ下品さのご説明が、
 マジ執拗でしんどいです。どんよりします。胸糞です。
 ほかの皆さんも、どいつもこいつも最低です。ゲスばっかです。
 さすがまほかるです。悪意満々で窒息しそうです。

 真相については、これも、勘が良ければ途中で気づくのかもしれません。
 映画好きの方は、類似の作品を思いつけるらしいです。
 私は鈍いので最後まで素でビックリしました。それはそれで幸せか。

 最後の最後のオチは、
 まほかるの別作品「アミダサマ」と同じだな、と思いました。
 僧でもあったというまほかるの、宗教観なのかなぁ。
 悪くはないですよ。最後には愛です。当然ですね。

 こちらは、皆にはおススメできない・・。不快な時間が長すぎて。
 費やした時間と忍耐に見合うだけの結末かどうかは微妙かもです。
 でも、頑張れば最後はそれなりに胸打たれます。
 
 映画は、蒼井優と阿部サダヲのようです。まぁ、ギリかなぁ。
 蒼井優だと、自分のイメージとは微妙に違う。
 蒼井優は最近汚れ役やるけど、あんまり。やっぱり可愛く見えるし。
 大竹しのぶみたいな路線に行きたいんだろうか。
 
 陣治はけっこうイメージ違う。もっと高齢だと思ってた。初老くらいな。
 阿部サダヲは上手いと思うが、これも可愛らしすぎるような。
 陣治はもっといろいろ薄汚くゲスいほうが、ラストが良いのにな。
 容疑者Xの献身とかと同じで。

 って、こっちにも松坂桃李が出てるやん。浮気相手。
 昔の恋人は竹野内か。竹野内がこんな役を・・。
 なんだかんだ、こっちも豪華ですね。

 こっちのほうがどんよりした、薄暗い映画になりそうな。
 そんなに見たいと思わないけどレンタル出たら見るかな。

 いずれにしても、作り方次第ですよね。どうなりますか。

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by michiko0604 | 2017-06-15 21:17 | | Trackback | Comments(0)

9編からなる短編集でした。
予想以上に、たいへん面白かった。
凄いんだけど、まほかる。

主人公はみんな、孤独な女の人。
ほんの些細な出来事や侵入者から、日常に狂気が混じっていくような。

冒頭の「林檎曼荼羅」が、一番まほかるっぽかった。グロくて。
全編こんな感じか、さすがだなまほかる、とと思っていたらそんなこともなく、
そのあとは、らしさは残したまま、比較的ライトな感じで読みやすい。
それでいて全部傑作。それぞれ「おお・・」と唸らされる芯があった。

「レイピスト」と「沼毛虫」はラブストーリーだと思う。綺麗と言ってもいいくらい。
「テンガロンハット」「普通じゃない」は、怖いんだけど笑える。シュルシュル。
「TAKO」はエロいがオチが良い。「エトワール」はエロくはないがオチが良い。
「ヤモリ」「クモキリソウ」は切ない。

怖いんだけど、ゾッとするんだけど、まほかるには愛があるよな。
きれいな愛じゃなく、女の情念みたいなものだとしても、ひとすじ添えるもの。

お見事でした。ありがとうございました。
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by michiko0604 | 2013-04-07 22:37 | | Trackback | Comments(0)

中村作品に初めて触れたのは、伊坂氏目当てで手に取った、
若手男性作家6人による恋愛短編集の中の「突き抜けろ」でした。
それが後にふくらんで「絶対、最強の恋のうた」に育つんだけど、
ストーリー自体は、失礼ながら他愛のない、なんのこともない内容なんですが、
脇役の木戸先輩の変人ぶりに素晴らしく笑わせていただきまして、印象に残ったという経緯。

ですので、この作品の魅力の半分は、再び登場の木戸先輩の大活躍に拠るものである、
と言っても過言ではない。少なくとも私にとっては。出てくると必ず笑える。
でも、さしもの木戸先輩も、歳を取ってちょっとだけオトナになったみたいですね。

本筋は、これもかわいい恋愛小説。
東京の理系大学院生である主人公の研究室に、
北海道の大学から、ゲスト研究者として、かわいい女子の院生がやってくる。
で、彼らは頑張って協力しあっていそがしく研究を進めながら、
むやみとマウスを殺さないですむような、新しい実験方法とかを開発しながら、
ふたりの距離をだんだんと詰めていく。
彼らの恋には障害があるので、何とかブレーキをかけようとするんだけれども、
走り始めた恋愛は、意志の力ではどうにもならない強大なエネルギーでもって、
とことんぶっちぎり、つっぱしるのでした。

いや、ほんとかわいいです。リアルで切なくて、キュンキュン共感できます。
自由な若者だったら、一点の曇りもなく感情移入して大好きになれたかもしれない。
恋愛は寸止めが美しい。それはわかっていても、止まらないのが恋愛というもの。

でも私はおばさんなので、彼らが踏み越えちゃった後半部分は、
どんなにバカップルぶりが微笑ましくても、一抹の苦々しさがどうしても消えませんでした。

中村さんは、結構ひとつの設定を引っ張って、リンクする作品を書かれますよね。
この木戸さんもそうだし、「夏休み」と「あなたがここにいて欲しい」もリンクしている。
だからきっと、これと対になる作品も、近いうちに書いてくださるんじゃないかと期待。
若く可愛い学生の妻を快く東京に送り出して、
おそらくは何一つ疑いもせずに、北海道で帰りを待っているダンナさんの話。
知らぬ間に完膚なきまでに裏切られ、哀れまれてさえいる気の毒な夫の話を、
反対側から読ませていただける日が来たら、この本のことももう一度考えて、
どう評価させていただくか決めようと思います。

ていうか今でもはっきり面白かった、良かったといえるんですけど、
でも、やっぱり、こちら側からだけで決めてしまうのは、抵抗があるんですよ。
おばさんですので。
おばさんというのは、時に社会の良識をその肩に担わなければならないんです。
何気に窮屈なんですよな。
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by michiko0604 | 2009-05-28 23:56 | | Trackback | Comments(0)

おしゃれなタイトルだと思いましたが、内容はおしゃれじゃありませんでした。
でも、自分的にはかなりのヒットです。この身近さはなんだろう。

20代後半くらいと思われる女性が、中途採用された地味な会社に淡々と通う。
その通勤風景から仕事内容から、職場仲間から休憩時間の使い方から、
淡々ではあっても、なんかものすごく詳細に描写されて、
彼女と一緒にその会社にお勤めしているような気持ちにさせられていく。
波乱万丈な筋立てを求めている人には、いい加減にしろ退屈なんだよーなんて、
ちゃぶ台でもひっくり返されそうな平凡な日々が続いていくんだけれども、
何故か私はどっぷりハマってしまって、大下物流のOLさんになって行きました。

主人公の睦美が、自分を投影しやすいキャラだったことが大きい。
私もきっと、年下の女の子たちにもパートのおばさんの輪にも入れず、
でも特にそれを苦にも思わないまま、昼休みは近隣に冒険がてらの散歩に出かけただろう。
(と言っても、職場の雰囲気は素晴らしいです。こんな会社で働きたい。
 楽しいフォークリフト)
私もきっと、屋上に登っただろう。で、先客に申し訳なく思っただろう。
そしてきっと、やっぱり樋川さんに恋をしただろうなと思います。少しずつ着実に。
一緒に暮らす恋人がいても。嫌いになったわけじゃなくても。
というかリアルに、樋川さんを好きになっちゃった気分です。
説明しなくても、わかってくれる人。何よりも得がたい。

だからラストは猛烈に切なかったですね。
ここだけは、睦美の背中をどやしつけたくなった。しっかりしろ、後悔すんぞ!と。
こんな気持ちが、まだ自分の中に残っていたとは。なつかしいわ。
味わわせていただいて、どうもありがとう。

そんな感じで、これはたいへん気に入りました。地味に確実に揺さぶられました。
まだ図書館にこの人の作品がたくさんあることが、幸せだと感じてます。

でも、もう一本収録された「センスなし」はいまひとつでした。
前作の余韻が強く残った状態で読んじゃったからですね、
すこし平常心に戻ってからにすればよかった。デーモン小暮閣下に、思い入れないしな。
「夫の延滞エロビデオ」というお題だったら、私も書けることがあるんですけどね(謎
そして、どうももう一作どこかに載ってるみたいなんですが、まだ見つかりません。
「二人のデート」どこにあるのー。隠すとか、どうなの(笑
妙な遊び心で作らないでくださいよー 私、探し物ヘタなんですよぅ。
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by michiko0604 | 2009-04-16 01:45 | | Trackback | Comments(0)

何がどう良いのか、うーん、うまく言えません(笑
劇的な事件は起こらないし、言い回しが気が利いてるわけでもないし。

ただ、いろいろと「当たり前」でないことが起こって、一般庶民は対処に当たるのだけど、
それらの心の動きは決して類型的ではないのに、
ああ、わかるなぁ、そういうもんだよなぁ、と思わされてしまう。
そのからくりが、まだありかを突き止められない。
でも、そんなのわかんなくてもいいだろって気もするし、多分それで正解。

親が離婚しても、ちょっと置き去りにされちゃっても、軽く仲間はずれがあっても、
無職でも、大切な人への対応を失敗しちゃっても、将来の展望が見えなくても。
そのひとつを取って、この世の終わりになるわけではない。
あんがい、けっこう、大丈夫だったりもするのかもしれない。

全然言いあらわせていない・・・。

でも、「また会いたい」「もすこし一緒にいたいかな」と思わせるヒトなんですよ。
しばらく、続けて借りて世界観に浸ってみたいと思います。
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by michiko0604 | 2009-04-14 02:05 | | Trackback | Comments(0)

「アヒル鴨」のDVDで新作情報として紹介されてたとき、
こんな映画、誰が観るんだよ、と素で感じたものだったんですけど(すいません)、
公開中の評判は全く聞こえてこないまま、何故か原作読んだタイミングばっちりでレンタル開始。
借りちゃいましたよ、新作一泊二日300円で(笑 私にとっては「よっぽどのこと」。

笑っちゃうくらい原作どおりでした。淡々っていうかドぬるい(ぇ)。
これと言って何事もない。何もしない。だから何?と突っ込んだら負け。眠い。
でもその中で何度も声あげて笑ってしまったし、グッと来るところもあったし、
キュンと来るところもありました。頭悪い感想ですいません。

三度目の結婚もあんまりうまく行っていないカメラマンの父親と、
妻に恋人が出来てしまった無職の息子が、おんぼろ山荘で過ごす大人の夏休み。か?
1、部屋に虫が出ます  2、布団がじめっとしてます 3、トイレはくみとりです
4、風呂は五右衛門風呂です  5、携帯電話は使えません
・・・という状況で過ごす超スローライフ。誰も来ないよってか、ほんと誰が観るんだよ(笑
でも良かったです。どんなに情けなくても、沁みてくるものもある。

堺雅人さんはやっぱり素敵でした。いや、ひたすら情けなくはあるんだけど。
原作どおりとは言っても、原作は20代なので、個人的にちょっとズレは感じましたがね。
父親が51歳、と出たときに、なんだ自分、親世代のほうが近いんじゃん!とちょっとショック。
堺さんのことはギリギリ同世代に感じるというか、いや、それはさすがに図々しいんだけど、
まぁより強く感情移入する相手がブレるという点で、映画と原作の印象は別になりました。

お父さん役の鮎川誠さんという方は、知らない人だったけどこちらも素敵でしたね。
話し方が独特で、けっこうハマります。癖になる。
でも俳優さんじゃないのかな?どの演技も全部同じなので、最後には別の意味で笑っちゃった。
奥さんの水野美紀さんは、まぁ普通。特筆することはないけど、普通に原作どおり?
身勝手には違いないのだけど、ほんとうに好きになっちゃったんなら仕方ないんでしょうね。
原作でも、ほんとに相手が好きなんだなって伝わったから、胸が痛いくらいでした。
なんで結婚生活を続けているのか?みたいな突っ込みは、する気になれなかった。
理屈でなく理性でなく、そういうことってあるよね、という妙にリアルな納得。
だからこそラストは、薄く物悲しいとしても、ある意味すがすがしい。

細かいところで、ご近所の遠山さんちでご馳走になる、モロッコいんげんの天ぷら、
このシーンがカットにならなくて良かった。原作のこの場面、すごく好きでした。
私も初めてモロッコいんげんをもらったとき、なんだこりゃどうすりゃいいんだと悩みながら、
ほかの夏野菜と天ぷらにしてみたら、もうすごくすごく美味しくて感動した覚えがあるので。
採りたて揚げたてというのが、もちろん最高の調味料だったんでしょうけども。
欲を言えばトマト料理のシーンも出して欲しかった。焼いたり煮込んだり。

1時間半と短めの映画で、ちょうど良かった。ちゃんと観られてよかった。
好きなうちの映画です。

で、続けて長嶋有さんの作品を図書館で借りてます。
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by michiko0604 | 2009-03-13 02:27 | 映画・TV | Trackback | Comments(2)

表題作と「男子五編」「ハミングライフ」の、短編3本。

中村航作品は、駄目な人は全然駄目だろうと思います。
だって特に何ごとも起こらないですから。毒にも薬にもならないですから。
でも私は大好きです。

ストーリーではなく、言い回しや視点や言葉の選び方そのものが好きなのでしょう。
どうでもいいようなこだわりの部分の描写に軽くこもる熱、
そこから浮かび上がる感覚は手に取れるかのようで、
滑稽なんだけど共感させられる。感性が合うんでしょうね。
例えば、表題作。小田原城址の公園にいるゾウに、初めて会ったときの幼児の衝撃と、
同じ研究室の、好意を寄せる女性が、ほかの世界を持っていたと知った時の衝撃。
この二例が、300ギガワット・200ギガワットとあらわされ、
なんだかもう、それがたいへんにリアルで笑っちゃったんですけども。
ゾウの存在感が50園児ぶん、とかいう表現も好き。
化石っぽいからシャコが嫌い、というチャラ男に対し、シャコだってお前が大嫌いだ、と
内心で毒づく吉田くんが大好き(笑)。だってその気持ち、すごくよくわかる。
「夏休み」の吉田くんと舞子さんの馴れ初めの話でもあります。
私は吉田くんの真面目さと誠実さ、滑稽さが大好きだったので、また会えてうれしい。

「男子五編」は、著者の自伝のようですね。
明るくて楽しいですが、まぁ、これは普通。

「ハミングライフ」は、野良猫を介して交信(?)するようになったふたりの、
真面目だけどユーモラスなかわいいラブストーリー。
これも楽しいです。なんてこともないんだけど微笑ましく、温かい。

買おうかと迷ってるくらい、読んで幸せになれた本。
とりあえず文庫を待とう(ぉぃ)。
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by michiko0604 | 2008-06-08 23:47 | | Trackback | Comments(0)

久々に、がっつり読み応えのある作品。

妻を亡くしたばかりの、あんまり冴えない大学講師の主人公の物語と、
50数年前に自殺したマイナーな作家の未発表作品の物語が絡んで、複雑な構成。
と言っても入り組んでるわけじゃないのだが、
気づかないうちに、人の悪意にさらされていくという意味でオーバーラップするし、
共通点もある二つの事件の情報量がとにっかく多いので、ちょっと幻惑される。
でも、けっこうページ数があるのに、どんどん先に引っ張られて一気に読めた。
人は殺されませんが、怖いですね人の悪意は・・・と、底冷え。

この伏線の多さと繰り返されるどんでん返し、幾重にも張られた罠とか、
一部の東野作品にも通じるところがあるけど、私はこの人のほうが好きかも。
それは、人物に血が通っているように思うから。
魅力的って書こうとしたけど、それほどでもないな。
主人公、うだつが上がらないし情けないし、間抜けでかっこ悪い。
でも、亡くなった奥さんは何故、非の打ち所のない前彼でなくこの人を選んだか。
それがテーマのひとつでもあるんだろうけど、抒情的であたたかい。

良い作品だと思います。おもしろかった。
中の上くらい(微妙か)。
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by michiko0604 | 2008-01-29 01:30 | | Trackback | Comments(2)

なんか、ここのところ、すっごいこのブログ重いんですけど。
ダイヤル回線使ってた頃みたいだわ。
私は話が長いので、書き上げた記事がぶっ飛んじゃったりすると非常に凹む。
ダメージと徒労感が半端じゃないっす。

さて、初・貫井徳郎作品。しかし、これをお初にしたのは微妙だったかもしれない。
この作家さんは周囲では割と絶賛する人が多く、読め読め言われていたんだけど、
悪くはなかったんですが、そんなにいいとも思わなかった。すいません。
海外旅行が好きな人だったら、紀行物テイストも同時に楽しめて、付加価値ついたかも。

第一話で表題作にもなってる「ミハスの落日」が一番なんでもなかった、自分的には。
大富豪だったり美女だったり、にあんまり必然性なさげだったし、
あとがきにも書いてあるけど、密室トリックといえるのか、これが。
人間ドラマ風の部分も、途中で予想がついちゃったので、主観的にはオチもなかった。
微妙な意味で、悲しい話でした。
これがもすこしなんとかなったら、「おもしろかった」という結論になったかも。
いきなりボロクソに言ってしまいましたが、そのほかの二~五話は、
それなりに「おお!」というサプライズがあったので、
短編ミステリーとして、かなり楽しめましたし。
「後味がよくない」という感想もどこかで拝見したのだけども、
まぁ確かに甘くも優しくもないし、あんまり救いもないのだが、
こういう、突き放したような切れ味の文章と展開、私はキライではないです。
二話と五話が特に良い、といおうとしたが、四話も意外性あって良いし、
三話もユーモアがあって良かったので、結局トータルではおもしろかったということか。

また次回、評判の良い代表作群に挑戦してみようかと。
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by michiko0604 | 2007-06-13 00:12 | | Trackback | Comments(0)

絶対、最強の恋のうた

中村航さんの新刊。図書館で見つけて、嬉しくて即借りたが、
もしかすると私が最初かもしんない。
栞紐(?)がやけに初々しくお行儀よく、絶妙に真ん中へんに収まってたから。
くるんと丸まって、使われた形跡がなかった。それだけ。

この人の本を読むのは5作目。これで全部なのかな。
かわいくて真摯で爽やかで、どっかに小さいこだわりがある。
一番好きなのは「夏休み」で、一番好きじゃないっつか、
何にも響いて来なかったのは「ぐるぐるまわるすべり台」。
あとの3作は、今作も含めて真ん中へん(適当)。いろんな味わいで、「まずまず」くらい。
この新刊の真っ当さは、ジュニア小説とも見まごうばかりで、
大人の評価どうなんだろう、と余計な心配してしまうけど、まぁ凡百ではないのだろう。
個人的には好きだ。読んできれいな気持ちになる。照れ臭くもある。
かわいいユーモアが緩衝材になってはいても、まともすぎてまぶしい。テカってますよ。
どこにも行き着かないで、ただ積み重ねていく共有する時間の中で、
天啓のように降りてくる、相手をいとおしむ深い想い。
シンクロできれば、それは幸せということだ。

といっても、気に入ってるのは木戸さんのエピソードですけどね。
「おそらくは木戸蹴りのようなもの」の威力はいかほどなのだ。
悲しいまでに非力な木戸さんの必殺技、それでも強くただしく生きることはできますよね!
主旨がそこではないのが痛いが。
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by michiko0604 | 2006-12-12 23:36 | | Trackback | Comments(0)