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風呂に入って目が冴えたので、もう一個書こう。ネタバレ全開なのでご注意。

楽しみにしていた分、充分に報われました。面白かった。
息子と二人で観たのがまた良かったですね。筋を知らない人の反応も併せて楽しめたし。
満足しました、っていうことを前提にして、引っかかった部分を中心に書いておきます。

最大のマイナス点は、やはりTV放送を観てなかったことですね。
福山雅治の湯川先生のファンだったら、きっとさらに3倍くらい楽しかったでしょう。
姉と姪たちはファンなので映画館まで足を運び、普段毒舌の彼女たちも熱く絶賛。
で、どうしても視点が湯川教授中心だったから、ちょっとそこは微妙なズレが。
私、福山雅治が画面で長時間演技をしているのを、この映画で初めて観たんです。
あんまり好きじゃないんですよ、すいません。どっちかっていうと苦手なほう。
見慣れれば好きになるかも知れないけど。堤真一のように。

マイナスの次点は、その堤真一ですな。いや、良くなかったわけではありません。
ていうかすごく良かった。ちゃんとショボイおじさんになってたし、キモさも熱演してたし。
主役は石神だったし、見事な存在感でした。でもやっぱり、かっこ良すぎました。
彼女の新しいBFがダンカンっていうのがまた、ダメだと思う。ダンカンは嫌いじゃないですけど。
女性がダンカンよりも堤真一を選ぶとしても、全然おかしくないですよね。むしろ普通ですよね。
それじゃダメなんですよ。ラストの感動が半減なんですよ。
(話逸れるけど、ドラマ版の「いま会い」でも似たようなこと思ったな。 なんで主役、成宮?
 成宮だったら、彼女が無理して戻って来ても不思議じゃなくね?みたいな)

原作にない、あの雪山のシーン。意味わかりません。
なんで、鍛錬もしてない素人がいきなり吹雪の雪山に登るんですか。
危ないじゃないですか。あれはないでしょ。
きっとこれは、福山ファン、湯川教授ファンに対するサービスだったのね。
だから、どっちでもない私には、違和感バリバリだったんでしょう。

石神の、花岡親子に対する愛情の描写は、映画のほうがベタでした。
新しいお父さんもろくでなしで、苦労してきた女子中学生が、
大して愛想よくもない隣の貧相なオヤジに「行って来ま~す」とか手なんか振るか。
中年男なんぞ、必要以上に嫌悪して避けるほうが普通だ。
しかしそれでも尚、このほうがわかりやすくて良かった。納得がいきましたので。

概ね原作どおりのラストシーン、なんだかんだ言っても、やっぱり良かった。
ちょっと来るものがあり、ちょっと涙っぽくなった。
だから最終的には満足なんですが、少し原作と違ってましたね。娘の自殺未遂がない。
これは確かに一長一短のところがあって、それほどの重大事が起きなければ、
靖子は石神に罪をかぶせてまんまとばっくれるつもりだったということになる。
それはちょっとヒドいと感じる人もいるかもしれない。
でも、そもそも靖子は娘を守るためにすべての罪を犯したわけなので、
娘を守り通せる可能性が高い段階で自白するって、その程度の覚悟だったのか、とも思った。
多くの人に共感してもらうために平凡になってしまうってこと、ありますね。
まぁでも、原作よりも血の通った描写をされている、あのよくできた娘ならば、
おかあさんと対等に話し合って、人の犠牲の上で幸せにはなれないという結論を、
自殺未遂なんて暴発ではなく、きちんと理性的に導き出したかもしれない。
だからこれはこれでも良いと思います。どっちでも。

で、最後に。原作を初めて読んだときと、今は気持ちが変わってる部分があった。
それはトリックのキモ、ホームレス殺害に関してです。
今思うとちょっと寒い気持ちになるが、原作読んだときには私は、
「この世から消えても誰も怪しまない存在」としてホームレスが利用されたことを、
「なるほど!」くらいにしか思わず、全然抵抗がなかった。
でも、これを観るまでの時間に、私の気持ちは変化して、
「ホームレス」という存在に感情移入するようになったんですね。
これについて語ると長いので省きますが、だから石神のやったことが、
ものすごく冷酷非道に思えてしまって。とんでもないエゴイストにも見えてしまって。
その分も少し、ラストの感動は殺がれてしまいました。ヒドいヤツには天罰覿面。

というようにいろいろケチつけてしまいましたが、多くは私の個人的な理由ですし、
これだけマイナスを並べたてても尚、映画は面白かったです。
人に聞かれれば、オススメということになるでしょう。
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by michiko0604 | 2009-03-30 02:38 | 映画・TV | Trackback | Comments(0)

久々東野作品。これも、いつもお世話になってるブログさんのご紹介です。
今のところハズレなしです。さすがだ。

予想していたより、はるかに面白かったです。
というか面白かった、ほんとに。すいません、失礼な言い草で。

親友から恋人として紹介された女性に、どんどん惹かれて行って悩む現実。
その女性と、恋人同士として同棲して幸せに暮らす現実。
二つが平行して描かれ、どちらが真実なのか、妄想なのか、パラレルなのか。
少しずつほころび始め、違和感が増し、
積み上げられた謎が次にどんどん解かれていく。
どうなるんだろう、どういうからくりなんだろうって、ぐいぐい先に引っ張られた。

記憶の改ざん、バーチャルリアリティの研究がメインテーマになっていて、SF風味。
でも、大変リアリティがあって説得力も充分。
終盤は、ほんと怖かった。ホラーになるのかと思っちゃった。
自分が、けっこうそういうのが好みだっていうのも大きかったですね。
いや、ホラーじゃなく、記憶が人をかたちづくる、みたいな概念から始まる物語。

そして、登場人物の言動にも感情移入がしやすかった。
魅力的な麻由子さん、彼女に惹かれる親友同士の男性二人。
紹介文にあったように「ラストは号泣必至でバスタオルが必要」
・・・とまでには、残念ながら入り込めなかったけど。
東野作品に対してちょっと壁を作りかけてたかもしれない自分に、
もう一度初心に帰らせていただけるくらいの浸透力はありました。

これはオススメの部類。
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by michiko0604 | 2008-09-01 19:08 | | Trackback | Comments(0)

そんなには書くことないんだけど、読んだというしるしをつけておこうかと。

なぞなぞ集の本を読んでるみたいでした。
全体の大きな謎があり、はじっこの小さな手がかりから少しずつ解明していくのだが、
その場所にたどり着いてからは、主人公二人はどこにも行かずに、
その場で資料を読み進めるだけで、たくさんの小ナゾを読み解いていく。
そのなかのいくつ、あなたにもわかりましたか?みたいな。

被害者の関係や続柄なんかは、年齢的なことを考えれば
そんなに遠回りしなくても解けそうなもんだと思うが、
まぁ、最後の大きい二つは、おお、そうなのか、と、比較的サプライズでしたかね。

でもこの物語を通り過ぎたことで、読んだ自分のみならず、
主要人物にとってみても、これといって何が残ったとか変わったとかいうのも、
そんなになかったような・・・いや、さすがにあったのかな、特に彼女には。

読みやすかったことは確かですな。一息でいけたし。
さらーっと、流れてきて流れて行った話のような気がします。
で備忘録、と。
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by michiko0604 | 2008-02-09 00:36 | | Trackback | Comments(2)

DVD「手紙」

普通に、特に飽きずにちゃんと最後まで観られました。
繰り返すけど映画は苦手なので、
それだけで、自分的にはとりあえず合格点なんでございますが。

細かい好みはそれぞれあったけど、トータルでいうと
どちらかと言えば、映画のほうがより良かった。

小説版で、直貴は美声の持ち主らしく、友人にカラオケでスカウトされて、
バンドメンバーとしてメジャーデビューに向けてひた走るんですけど、
その設定が既に、すげぇ作り話っぽくてその段階でちょっと引いちゃったので、
映画版の、中学時代の友人とお笑い目指すほうがまだあり得るような気がした。
しかし、私にとって笑えないお笑いコントは、動物の死骸にも匹敵するほど正視に耐えない、
この世で最も恐ろしいもののひとつなので、そのシーンを味わうことができなくて残念。
すいません、消音もしくは早送りで乗り切りました。
クライマックスの、一番感動的な場面だったかもしれないのにごめんなさい。
でも、山田孝之くんのお笑いの舞台は、表情暗いしぎこちないしリズム悪いし、
痛くて寒くてぜんぜんおもしろくなくて、映画館で見たら拷問になったかもしんない。
いくら、今の時代は若手お笑い芸人への道が広くなってるとはいえ、
あんなんが売れるとは私には全く思えないので、リアリズムという点では、
バンドの方がまだマシだったのかもしれないとさえ思ってしまったが。

その部分を除けば、シンプルに映像の力で映画の方が感情移入しやすかった。
殺人犯の兄も、俳優さんのたたずまいが美しいせいもあって印象が濃くなったし。
玉山鉄二さんてよく聞くけど、しみじみ見たのはじめてかも。
エリカ様も可愛かったですね。可愛らしすぎたくらい。
もう最初からこっちでいいじゃん、みたいな。
いや、個人的には吹石一恵けっこう好きですけど。
おかあさんになってからはちゃんと・・というかおばさんに見えて笑えたが。

そして、原作では何がどうなんだかぜんぜん何も入ってこなかった、
兄の最後の手紙のシーン。映画ではちゃんと泣けましたよ。
山田くんの号泣につられてもらい泣きしただけかもしれないけど、それでも。
それこそ、映像の大きな力のひとつなわけだからね。

そんなこんなで、まずまずの映画でした。
でも、もう一回観たいとは思わないですな・・・。
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by michiko0604 | 2007-12-07 23:38 | 映画・TV | Trackback | Comments(2)

小説「手紙」 東野圭吾

映画も評判よさ気だった話題作、このたび縁あって借りられました。

弟のためを思うあまり、成り行きのような強盗殺人を犯してしまう兄と、
犯罪者の家族として世間の冷たい風に晒され、差別を受け続ける弟のお話。

東野氏は、ほんとに引き出しの多い人だな~と思う。
変に情を込めすぎない、シンプルで平明な文体で、
無駄なく力強く、畳み掛けるようにどんどんエピソードを積み重ねていく。
こんなに何もかもドンピシャのタイミングで悪いことばっかり起きるか?とも思うが、
ひとつひとつは説得力抜群、いかにもありそうな話ばかりで、
トータルでちゃんとリアリティを構築できるのはさすが。
方程式のように予想がつくけどね。幸せと希望の描写があって、次にそれが壊れる。
その繰り返し。バリエーション。でもそれが「上手い」ということか。
これはこの人の巨大な美点のひとつなんだろう。物語として整理されて、贅肉はない。
頼りない感性みたいなものではなくて、筋と挿話できっちり読ませる正統派だ。

これでもかというような弟の不遇には、かわいそうでちょっと泣かされてしまいました。
自分の周囲に、犯罪者の身内って人いたかな・・・と考えると、
どうしてもといえば、仕事で付き合いのある人に一人いた。ここにも書いたことあった。
殺人ではないけど大きな犯罪で、今服役中。血縁ではなく、姻族。
個人的には、この強盗殺人の兄よりもずっとひどいと思える罪状。
ただ、世間から差別といっても、親族に対してはここまでではないみたい。
この小説で言うと由実子さん位の立場だけど、暮らしに特に影響はなく、
私も、聞いた時はびっくりしたけど、別に避けたり気を使ったりもしてない。
本人がいい人だというのもあるし。お互いセレブなわけでもないし。
でも、だからって何もないわけでもなく、子どもの就職とか縁談とかで、
ギリギリの時には影響出ないとも限らないのかな。
だからこのくらいの誇張は手法のうちなのだろう。

抑止力としての差別、常識、枷等の社会の縛りについては自分でも考えたことがあり、
平野社長の説諭も興味深く読んだし、好ましかった。
理不尽な差別は絶対いけない、なんて書かれても困る。現実に即していないし。
でも、それはそれとして「いけない」と教える道徳は必要だし、
差別の根源の理由が、気をつけてもどうしようもないことの場合は、違う話だけども。

と、そんなこんなで、トータルではとてもおもしろく、けっこう一気に読んでいって、
最後にガーっと感動して納得が行くのかな、と期待していたんですけど。
なんだかぜんぜん感動はできなかったので、拍子抜けでした。
兄の最後の手紙で、弟は胸打たれて決心を翻すことになったんだと思うが、
なんで、どこがどうでそういうふうに動いていったのか、よくわからなかった。
弟の苦悩だけでなく、自業自得とはいえ兄の人生の悲哀も伝わるのかと思いきや、
別にそういうわけでもなく、特に何も入ってこなかった。それだけが残念といえば残念。
普段から東野作品に対して感じていた印象が凝縮されたかのよう。
熟練の職人芸に引っ張られて、起・承・転まではそれなりに素晴らしいんですけど、
肝心の「結」が、よわぃ・・・
このラストシーンの意味を、正しく理解できる感性が、自分になかったことが残念です。
と、謙虚になっておこう(何

DVDを借りてきたので、これから映画を観て、あわせ技一本になるか試してみようかと。
なるといいなぁ。
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by michiko0604 | 2007-12-05 01:26 | | Trackback | Comments(0)

「毒笑」で懲りたはずだったんだが、ちょっとこの辺疲れていた時期だったので、
あんまり深く考えずに、さくさく読める短編集に行ってみようと思いまして。

そのようにあんまり期待してなかったせいか、まずまずおもしろかったです。
「起」「承」「転」までが結構よくできた話が多かったので、
肝心の「結」がちょっと弱くても、まぁ、読んだ価値はあったかなと思えた。
「臨界家族」とかは子どもがいる人なら一度は通る道で苦笑いできるし、
「巨乳妄想症候群」「モテモテ・スプレー」は、タイトルダサくてオチが軽いけど、
そこに至るまでが楽しかったし。
東野氏のファンだったら「シンデレラ白夜行」や、
文学賞選考の裏側を皮肉った連作4編で笑えたでしょう。

爆笑するようなもんでもないけど、ちょっとクスッと笑うにはいいかも。
筒井康隆と比べてはダメだね、あの人はいろんな意味で普通じゃないから、
突き抜けた破壊力でとんでもないインパクトを食らわされるんだし。
マジかよ、ここまでやっちゃうのかよ(汗笑)、みたいな。

東野さんは、良くも悪くも「普通の人」なんでしょうね。俗人ともいえるか。いやいいけど。
疲れているのでさくさく読みたい、という当初の目的をかなえてくれたので、
今回は比較的好意的で点が甘いです。
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by michiko0604 | 2007-09-17 20:50 | | Trackback | Comments(0)

これが直木賞受賞作だったんですね(今更)。
さすがに見覚えのあった題名以外は、ほぼ予備知識ナシで臨んでみました。
読みやすく、わかりやすくおもしろかったです。
トリックも構成も文体も手堅くて、するすると最後まで引っ張られました。
ミステリーを読んだ満足感としては、ほぼ満点と思われ。

東野作品は常々平均点が高く、上手いな~と感じさせられることが多いけど、
感動するとか入れ込んじゃうとか、影響を受けるようなことはあんまりないんですよね。
キャラクターに、あんまり感情移入できないことが多いせいかもしれない。
こういう人は好きだとか嫌いだとか、それ以前に、お話の中の人としか思えない。
だからいつも、自分にとっては時間潰しの域を出ないことが多いんだけど、
この作品は、ちょっと良かったです。来ないと思ってたものが、来た。
つまりラストで、ちょっとジーンと来ちゃった。不覚かな?(笑)。

不遇の天才数学者の、おそらくは生涯ただ一度の真摯な恋。
人はこれほど深く他者を愛せるのか、というような煽りは、少々面映いけれども。
トリックはさすがによくできていて、難解すぎはしない問題を解いていく醍醐味。
犯行時間をずらすのが主目的なんだよな?とか、
ホームレスをどっかで使ってるよね?とか、断片的には推量できるけど、
最後に全てのピースが繋がっていくカタルシス、楽しませていただきました。

なんでそこまで彼女らに思い入れることになったのか、それだけがちょっと。
それ以外が、きちんと計算して設計図に書かれた理系の展開だったから、
唯一無二で絶大な動機である、その深い愛情にも、
なんかわかりやすく納得させられる理由付けがあるんかと思ってたんだけど、
まさに自殺しようとしていたところに現れて、その目が綺麗だった、とか。
いきなりそこだけどーんと情緒的な文系展開になったので拍子抜けしたかも。
いや、それはそれでいいんですけどね。まさにそれを狙ってたのかもしれませんが。

物理学者の湯川さんも魅力的。と思ったら、この人のシリーズがあるんですね。
これは座長を張れるだけの存在感があるかもしれません。
それを追っかけて読み続けてみよう、というだけの愛は、湧きませんでしたけど。
でもご縁があったらまたお会いしたいですね。その程度には。
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by michiko0604 | 2007-07-11 00:53 | | Trackback | Comments(0)

私、東野圭吾さん結局ダメなのかもしれない。

どうなんでしょうね、これは。おもしろいんでしょうか。
私には全然おもしろくなかったんですが。
これのどのへんが「毒」で「笑」なのか、そしてこのような表紙絵、
カマを振りかざすユーモラスな髑髏、死神なんですかね、これは。
つまり毒で笑えるお話ですよ~いけますよ~というアピールなんですか?
そこらへんからして既に、痛いくらいなんですけど。恥ずかしいくらい。

何がダメ、ということはないんだけど、つまりどれもこれも凡作。
12本の短編、個人的にはどれひとつとして、
「あ、これ良かった。おもしろかった」という合格点がつけられない。
呆然とするほどがっかりした。かもしれない。つまりまだ期待感があった。

筒井康隆作品を思い出させるものもあったんだけど、
完成度もインパクトも比べ物にならないと思う。

というふうに、自分、思いもよらず毒を吐く結果になってしまった。
笑えない質の悪い毒で胸焼けしちゃったのか、
それ自体が狙いのこのタイトルだったら、それはそれで脱帽するのだが。

今後は、評判の良い作品を選んで読ませていただきますね。
自分が雑食なのもいけなかったのかもしれませんので。すいません。
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by michiko0604 | 2007-03-11 23:13 | | Trackback | Comments(0)

図書館で調べてみたら、閉架だけどあったんで、探してもらったんですけど。
頼んだ人がなかなか戻ってこないと思ったら、なんか所定の場所に見つからなくて、
予約の形で申し込んで下さい、ということになった。
いや、そこまでの強い希望はないんですけど、なければないでいいですし・・と言ったが、
なぜか図書館の方の耳には入らず、仕方なくこの間抜けなタイトルを予約する。
翌々日に留守電が入っていたので、めんどくせーなと思いながら、
自分的に「図書館デー」ではない日に、わざわざ行って借りてきた。
そして図書館の皆様は、この一連のやりとりの中、一度もこの本の名前を呼ばなかった。

無駄な前置き長すぎだが、そうした苦労(でもないけど)の末に手にしたこの本、
おもしろかったかといえば、普通でした。この人のファンだったらおもしろかったかな。
もしくは、もっとストライクに同世代だったら、時代の風俗に共通体験が多くなって、
ノスタルジーという付加価値もついたかもだけど。
つまりは学生時代の自伝なのだが、まぁ、笑えるところも随所にあり、悪くはなかったけどね。
個人的には中学生の時に読んだ小松左京の自伝の方がおもしろかった。
世代的には全く外れていて、戦時中の学生生活なんだけど、読ませる力があった。
かけ離れすぎてて、却ってオハナシとして楽しく読めたのかもしれないかな?

改めて思ったのは。東野さんという方は、「普通の人」だなぁ、ということ。
すいません、当代有数の人気作家さん捕まえて、ものすごく失礼かもしれんけど。
「普通」というのは、凡庸という意味ではなくて。もちろんそんなものではなくて。
感性が鋭いとか、すごく頭の回転速いとか、語彙が豊富だとかイマジネーション豊かだとか。
そういうような天才肌ではないんだなぁ、としみじみ思った。
この人は、真っ白い大きな紙に1点を定め、そこから座標を引いて、
着実に丁寧に根気よく、破綻のない綺麗な図面を書き上げていく職人さん。
その方程式は、普通の人がちょっと頑張って考えれば理解できるレベル、
言ってみれば「数Ⅰ」くらいの手法で織り出されてるんだよね。
だから親しみやすくて、多くの人に愛されるのだろうな。

そんな風なイメージができてきた。読んでいくうちに。偉そうでごめんなさい。
なんでこんな偉そうな文になっちゃったんだろ(苦笑)。
自分は「数Ⅰ」で早々に脱落した人間なんですけど、理系的に言えば。
「似非理系」の話は、ものすごく身につまされたし、つかそれ以前だったけど、
受験の話も就職の話も、大変リアルで興味深く読ませていただいたデスヨ。
今後ともよろしくお願いいたします(謎)。
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by michiko0604 | 2007-02-16 22:47 | | Trackback | Comments(0)

去年ドラマ化されて、かなり話題になった気配の作品。
そちらの方は一回も見なかったんだけど、図書館ではチェックするようにしてた。
約一年経って落ち着いたらしく、ご縁がありました。

いや、さすが、すっごいおもしろかったですよ。ぐいぐい読まされてしまった。
謀略とトリック満載、エピソード大盤振る舞い、めっちゃ贅沢なつくりの内容。
ふんだんにばら撒かれた伏線が、まぁ最後には収束するわけだけども
一回ごと、忘れるほど通り過ぎちゃう前に、軽く謎解きしてくれてるのもいいですね。
ここまでぎっしりと中身の詰まった作品、久しぶりに読んだかも。
人気の高い作家さんだけど、これまでは「それほどまでにか?」という疑問符ついたが、
これは確かに読み応え充分で素晴らしかったです。納得しました。

ちょっと先入観ってか、誤解があったかも知れないですな。
ミステリーの筋立ての中で泣かせる、感動させる種類の作家サンなのかと。
作風は多彩らしいので、読んでいくうちにはそんなようなのもあるかもしれないが、
これを読む限り、そっち方面にベタである必要性はないなぁ、
そんなんでなくても、別次元で充分に名作だと脱帽させられましたよ。
途中で、若いときによく読んでいた森村誠一さんを思い出してた。
それよりは多少ウェットだけど、手法の見事さに感心させられ具合が、ちょい似てる。

細かいとこでは、雪穂さんかわいそうなんだけど、やってることがいくらなんでもひどすぎて、
ちょっとこれは何かしら報いがあるべきじゃないのか、と厳しい気持ちになってしまったが、
彼女はあのまま、無事に生き延びてしまうんでしょうかね。
主役二人の真情の描写が皆無に近い原作に比べて、
ドラマはだいぶわかりやすいつくりだったみたいで、同じ筋でも印象は違うっぽい。
借りて観てみようというまでの愛は盛り上がってないので、観ないで終わるかもだが、
こちらも、なんかの拍子があったら(謎)観てみようかな。強力に薦められるとか。

ついでのような付記ですが、「片想い」もその前に読みました。性同一性障害。
えーと、普通におもしろかったですね、情報量が多くて、展開もいろいろで。
イロモノ的な扱いでなく、難しい題材だと思うけど、きちんと誠意持って丁寧に描かれてて、
方向性っていうか、理想の共存への一筋の光明というか、うーん違うな(笑)、
まぁ、形だけ変えても解決しない、みたいな問題提起(これも違うかー)?
なんにしても、ちょっと考えさせられましたかね。頭やわらかくしなきゃ、くらいには。
名作かっていうと、普通だと思いますけど(すいません)悪くはないですよね。
なぜか、アーシュラ・ル・グィンの「闇の左手」を一瞬思い出した。
ほんの少ししか共通項ないのですが。そして「闇の左手」は大名作だと思ってますが。
すべからく個人的に。
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by michiko0604 | 2007-02-04 01:29 | | Trackback | Comments(0)