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7月後半読書メモ

・小説「風に舞い上がるビニールシート」 森絵都

 直木賞受賞作だったのか?知りませんでした。
 見てはいなかったけどドラマになってたんで、タイトルが目について借りてみた。
 自分より、少しだけ民度の高い(謎)人たちの物語でしたな。
 短編集ですが、中では「ジェネレーションX」がユーモラスで読みやすく、
 「鐘の音」が興味ある題材で面白かった。
 全般的に真摯で生真面目。身近だけど高尚。ちょっと共感まではいかないかな。
 特に「犬の散歩」が遠かった。


・小説「図書室の神様」 瀬尾まいこ
  
 「卵の緒」が自分的に今一つだったんで遠ざかっていたが、ほとぼり冷めてリトライ。
 色々あってやる気をなくした若い女教師の、軽妙かつ真剣な再生。
 面白かった。筋立ては特に劇的じゃないけど、ユーモアのセンスあふれる文体が素敵。
 なんということもないところで笑ってしまうし、最後にはじんわり温かい。


・小説「天国はまだ遠く」 瀬尾まいこ
 
 これがまた良かった。日常から逃亡した若い女性の、これも再生の物語。
 ヒロインの人物造形がまた、笑える。真面目で天然。空気がほんと可笑しい。
 民宿たむらの田村さんも素晴らしい。って、映画になってたのか。しらなんだ。


・小説「空中庭園」 角田光代
 ぎりぎりきわどく危なっかしい四人家族のそれぞれ、母方のおばあちゃん、父親の愛人。
 6つの視点の連作短編集。
 筋を追うだけでなく、みんなの気持ちのひだの書き込みが凄いと思う。
 凝った背景まできっちり手書きで、手を抜かない漫画家みたいだ。
 アホでいい気なお父さんのお話「チョロQ」が笑えた。あとは不安を煽るような。
 って、これも映画になってたんですね・・・。


・小説「鹿男あをによし」 万城目学

 えーと(笑)。ファンタジーなのか。ミステリーなのか。
 評判は高かったですが、荒唐無稽ですよなぁ。私にはいま一つでしたかね。
 悪くはないけど、そんなに良くもないかと。
 でも、ツンデレのJK・堀田イトちゃんはとても魅力的でした。だからラストはいい感じかな。
 てか、このラストが、ぐんと評価を押し上げてるのかもですね。


・小説「藤沢周平全集 四」 藤沢周平

 「珠玉短編集 冤罪」を、読み終えられずに返す羽目になってしまったので、
 少し今まで読んだのともダブってるけど、これを借りて補完した次第です。
 直木賞受賞作「暗殺の年輪」以下、22編の短編。
 「ただ一撃」とか「潮田伝五郎置文」とか「密夫の顔」とか「夜の城」とか、
 「唆す」とか「臍曲り新左」とか「一顆の瓜」とか「竹光始末」とか・・・
 ああもう、できれば一言ずつ書きたいですが(笑
 
 
  
by michiko0604 | 2009-08-02 00:56 | | Trackback