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9月後半読書メモ

・小説「女神記」 桐野夏生

 「新・世界の神話」とか小さく副題がついてたので、もしやシリーズ化?
 古事記の「イザナキ・イザナミ」の物語がベースなんですが、
 メインはオリジナル(か?)。小さな南の島の巫女、ナミマの悲しいお話。
 ていうか身勝手な男を恨む女の人の、恋愛小説ですな。
 展開は無茶苦茶なところもありますが、神話ですから気にならない。
 そんなにエグくもなく、ありきたりでもなく、わりと面白かった。
 ただ表紙も裏表紙も同じ絵で、少々エロいので人前で読みづらいという難点も。

・小説「ミサコ、三十八歳」 群ようこ 

 「かもめ食堂」が良かったので、軽く楽しみたくて。
 これを選んだのは、表紙に猫がいたからですわ。
 本文でも、ヒロインの日常に欠かせない家族としてご活躍。
 出版社で、編集者として働く38歳のミサコの日常の話。そのまんま。
 仕事のことと家族のこと(猫以外の)に重点が置かれてて、
 浮いた話ひとつないミサコ(笑)。おとうちゃんが強烈すぎるぞ。
 ふざけてんのか?この展開、と思うようなところもあるが、
 会社の話なんかは案外リアルなんでしょうね。
 期待通りに軽く楽しめました。もう少し読んでみよう。

・小説「ブランケット・キャッツ」 重松清
 
 仔猫のころから慣れ親しんだ毛布とともに、2泊3日で貸し出されていく、
 レンタル猫「ブランケット・キャッツ」と七つの家庭の物語。
 この本を、時折涙ぐみつつも平常心で読めるのは、
 自分が、「不妊」「不治の病」」「離婚」「いじめ」「痴呆介護」「リストラ」
 等と、当面は無縁のところにいるからなのかなぁ。
 ただふつうに、ささやかに幸せに暮らしたいと願っているだけの善良な人の家に、
 いろんな姿をした不可抗力の悲しみが降りかかっていく。
 それらは劇的に解決したりはしないが、重松氏の視点はいつも優しい。
 といってもやっぱり、レンタル猫って無理だと思うんだけど、
 ほんとにあるのか、こんな商売。
 猫はアホではないが(うちのはアホだが)こういう賢さは違う気が。
 まぁ、ファンタジーだと思えば良いですね。化け猫もいるしね。

この時期は結構忙しくて、ちょっと少なめ。
by michiko0604 | 2009-10-11 02:21 | | Trackback