人気ブログランキング | 話題のタグを見る

9月読書メモ

結局こういう形態になってしまいます(汗
3冊どれも、そんなには印象深くなくて、時間が経ってますます薄く。
悪くはなかったのですが。

・「少女」湊かなえ
  
  言わずと知れた時の人、「告白」の作家さん。
  高校生の女の子二人が、親友が自殺したという転校生の話を聞いて、
  人の死を間近で見たいという欲求にかられ、
  ひとりは老人ホームに、ひとりは小児病棟に通い始める。そして色々。

  「告白」は大変面白く読ませていただきましたが、これはそれほどでもなかった。
  いや、面白いと言えば面白いです。色々事件が起こるし、よく考えてあるし。
  でも、リアリティがあんまりない。携帯小説か、良くてラノベみたい。
  すべての登場人物がリンクしてて、パズルだと思えばいいのかもだけど、
  こんなにうまく繋がるわけないじゃん、ていう作り話感がヒシヒシ。
  登場人物も、みんな性格悪いしね。ひとりだけは落ち度なく、気の毒か。
  
  駄作ってほどじゃないが、わざわざ読むほどでもなかった。個人的には。


・「最後の息子」吉田修一
 
  「パレード」を読んで、ちょっと疲れたので再チャレ。
  中編3本。
  ゲイの恋人のヒモになってる青年の話。
  母親を天災で亡くした後、父と息子二人の家族の話。
  部活最後の大会に燃える高校生たちの、酸っぱい青春の話。

  スゲー簡単に書いてしまったが、まぁ、一言で言って純文学。
  言葉の選び方で、ちょっと「おっ」と思うようなセンスがあって、
  ザリッととがったような時があっても、生真面目で知的な文章でした。
  笑えるようなところがなくて肩凝りますが、好感は持てます。
   
  まだ「好き」ではないけど、もう少し読ませていただこうと思う。


・「あられもない祈り」島本理生
 
  好きな作家さんなんだけど、これはいまいちでしたね・・。
  なんだかさっぱりわからないんですもの。
  時系列も分かりづらいし、名前がないのも読みづらい。
  それが狙いなのかもしれないけど、散漫で疲れた。
  「あなた」の奥さんとの会話とか、奥さんへの気持ちとか、
  時折ドキッと刺さるような秀逸な描写もあるけど、単発でした。
  今までで一番しょうもなかった。

と、こんなところで。
by michiko0604 | 2010-10-14 21:33 | | Trackback