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「あの頃ぼくらはアホでした」 東野圭吾

図書館で調べてみたら、閉架だけどあったんで、探してもらったんですけど。
頼んだ人がなかなか戻ってこないと思ったら、なんか所定の場所に見つからなくて、
予約の形で申し込んで下さい、ということになった。
いや、そこまでの強い希望はないんですけど、なければないでいいですし・・と言ったが、
なぜか図書館の方の耳には入らず、仕方なくこの間抜けなタイトルを予約する。
翌々日に留守電が入っていたので、めんどくせーなと思いながら、
自分的に「図書館デー」ではない日に、わざわざ行って借りてきた。
そして図書館の皆様は、この一連のやりとりの中、一度もこの本の名前を呼ばなかった。

無駄な前置き長すぎだが、そうした苦労(でもないけど)の末に手にしたこの本、
おもしろかったかといえば、普通でした。この人のファンだったらおもしろかったかな。
もしくは、もっとストライクに同世代だったら、時代の風俗に共通体験が多くなって、
ノスタルジーという付加価値もついたかもだけど。
つまりは学生時代の自伝なのだが、まぁ、笑えるところも随所にあり、悪くはなかったけどね。
個人的には中学生の時に読んだ小松左京の自伝の方がおもしろかった。
世代的には全く外れていて、戦時中の学生生活なんだけど、読ませる力があった。
かけ離れすぎてて、却ってオハナシとして楽しく読めたのかもしれないかな?

改めて思ったのは。東野さんという方は、「普通の人」だなぁ、ということ。
すいません、当代有数の人気作家さん捕まえて、ものすごく失礼かもしれんけど。
「普通」というのは、凡庸という意味ではなくて。もちろんそんなものではなくて。
感性が鋭いとか、すごく頭の回転速いとか、語彙が豊富だとかイマジネーション豊かだとか。
そういうような天才肌ではないんだなぁ、としみじみ思った。
この人は、真っ白い大きな紙に1点を定め、そこから座標を引いて、
着実に丁寧に根気よく、破綻のない綺麗な図面を書き上げていく職人さん。
その方程式は、普通の人がちょっと頑張って考えれば理解できるレベル、
言ってみれば「数Ⅰ」くらいの手法で織り出されてるんだよね。
だから親しみやすくて、多くの人に愛されるのだろうな。

そんな風なイメージができてきた。読んでいくうちに。偉そうでごめんなさい。
なんでこんな偉そうな文になっちゃったんだろ(苦笑)。
自分は「数Ⅰ」で早々に脱落した人間なんですけど、理系的に言えば。
「似非理系」の話は、ものすごく身につまされたし、つかそれ以前だったけど、
受験の話も就職の話も、大変リアルで興味深く読ませていただいたデスヨ。
今後ともよろしくお願いいたします(謎)。
by michiko0604 | 2007-02-16 22:47 | | Trackback