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ローレライ

原作を読んだのが去年の3月で、前の日記にも書いたんだけど
「いきなりニュータイプ!?何だこりゃガンダムじゃんか(笑)」
っていうのが最初の感想。戦局に翻弄されるホワイトベースとニュータイプ。
ラスボスはトレーズ・クシュリナーダ、みたいな。
その後DVDを借りてみたが、一般向け映画としてどうなんだろう、という危惧を持ちつつ、
電波な特撮映画として大変楽しめまして、数少ないお気に入りの映画にランクイン。

だから24日のテレビ放送はとても楽しみで、録画予約も万全。
相変わらず脇の甘いおじさん達、戦時中なのに新兵態度でか。
ラスボスの論理がますます意味不明。原作だと、くどくど長々説明されて、
ああ、はいわかりましたもういいです、って渋々納得させられちゃうんだけどもね。
「東京に原爆投下」とか言ったら、何がどうでも超悪役よね。無条件だ。
最初に原爆ありきのオチだから、仕方ないですけど。

香椎由宇さんってこの映画ではじめて見たけど、パウラのイメージぴったりで驚いた。
無表情な時の能面のような不気味さと、少しずつ和らいでいく時の可愛らしさ。
「美人」とは思わなかったがとても美しく、ずっと見ていたくなる。

まぁ大体は初見のときと同じ感想なわけだけど、
DVDと編集が違ってるので、そこは触れておきますか。
公開時に、原作にはない現代の作家視点からのエピソードを付け足したのは、
パウラと征人がその後無事生き延びたことを遠まわしに暗示するための、
まわりくどい修飾だったように思うのだが、
その意味ではテレビ編集の方が、より原作に近いと思われ。
ストレートで芸もないけど、私はこのほうが好きだな。
原作では身もフタもないほど、二人のその後が丁寧に描かれ、
普通のおばあさんになって現代を生きているパウラの視点で終わる。
時に生き延びた意味を問いながらも日々を懸命に生き、
働いて日々の糧を得、家族を養い子どもを産み育てて生涯を全うした、
ある意味「凡庸」だった征人の戦後。
波乱万丈で感動的だった本編のあとに、興が醒める思いをさせられるかもしれない。
でもやっぱり、これもまたこの作品の主題のひとつだと思うわけです。
by michiko0604 | 2007-02-26 20:05 | 映画・TV | Trackback