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小説「たそがれ清兵衛」 藤沢周平

語彙が貧困でいつも同じ感想で恥ずかしいが、すごいおもしろかったです。

「蝉しぐれ」の項で、中学生の時に短編集を読んだといったが、勘違いだったなきっと。
私が中学生の時にはまだ、新人に近くてそれほど評価は高くなかったようだ。
山本周五郎だったかも、あの本。だって剣士全然出てこなかったし。

表題他、みんな似たような内容の短編集で、
貧乏だったり不細工だったり、ボケ気味だったり(?)薄汚かったり、
みんなあんまりかっこよくない、どちらかというと情けない日常を送る貧乏武士なんだけど、
例外なく剣の達人であり、腕を見込まれた活躍で少しだけくらしに光をあてるという、
とてもわかりやすく読みやすく、日本語も美しく読後感もさわやかな一冊。
下級武士のつましい暮らしが、すごいリアルで引き込まれます(笑)。
階級とか役職名とか、対応する石高とか勉強してみたくなった。

一番好きなのは、やはりシメの「祝い人助八」ですね。
これが一番劇的だしかっこいいし、ロマンチック。
評判の良かった映画も、きっとこれを大きくモチーフにしてるに違いないと思ったし、
たぶんそのとおりだろうと。真田広之と宮沢りえちゃん、自分的にポイント高いし。
次はこの映画を借りてみます。たのしみだ。
by michiko0604 | 2007-03-14 00:19 | | Trackback