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小説「呪われた町」 スティーヴン・キング

今更ながらの、大御所キング。けっこう好きです。
よく読んだのは20年くらい前だけど、10タイトルくらい読んで、ひとまず終了してた。
多作でしかも話のひとつひとつが長く、暫くは夢中になるけど、やがて疲れる。
でも、しばらく休んだので、また、未読分を図書館で拾ってみようかなとも思う。

ホラー系で一番好きなのは小説だと「ミザリー」。超常現象はないけど、すごく怖い。
それと、「ペット・セマタリー」。これはすっごい切ないです。無残だけど。
映画なら「キャリー」かな。高校生かそこらのときに、夜中にTVで見たような。
非ホラーなら、断然「刑務所のリタ・ヘイワース」ですな。
「スタンド・バイ・ミー」よりも尚、こっちのほうがお薦め。
ぜんぜん内容知らないで読んでたので、ラストは泣くほど感動した。
そして映画には弱いので、これが「ショーシャンクの空に」の原作だとは、
けっこう最近までしらなかった(汗)。

そしてこの「呪われた町」ですが、
かつて大好きだった小野不由美の「屍鬼」の元作品ということで、
わりとずっと気になっていたんだけど、ずっと縁がないままでいた。
それがこの正月、帰省先の古本屋で見つけて購入、ラッキー。
図書館の本が切れた時のために取っておいて、ここ数日で読みました。

とってもオーソドックスな、吸血鬼の話。
でもそれまでと違うのは、ものすごく丁寧にその町で暮らす人の日常を描写し、
大勢の町民のひとりひとりを、隣人のように感じさせた末に、
彼らの運命を描いていくので、ものすごくリアルで、しみじみと怖い。
そして悲しい。

「屍鬼」がこの作品へのオマージュになっている、というのはよくわかりました。
テイストが同じ。
でもやっぱり、心を打たれた度合いは、屍鬼のほうが数段上。
日本に置き換わってるので、身近さが段違い。それだけではないけど。
読み返したくなったので、次には「屍鬼」を再読します。
この作品は「屍鬼」の関連テキストとして、興味深く読ませてもらいました。
言いかえれば、それがなければ読まなかったかもしれません。

でも読みやすかったし緊迫しててよくできていて、物語としておもしろかったですよ。
キングが好きな人。吸血鬼が好きな人、楽しく時間潰ししたい人にはお薦めします。
by michiko0604 | 2008-02-07 21:45 | | Trackback