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TVドラマ「篤姫」 第22話①

今回は、将軍夫妻の攻防(?)に加えて、阿部老中にスポット。
一橋慶喜公の実質的な初登場もあり、なかなか中身が濃かったかと。

恋愛至上主義のわかりやすさに一時感化されかけた篤姫だったが、
お世話係ならそれでよくても、夫婦はそれだけじゃイヤ、と体勢を立て直す。
今泉の両親は、今思っても、ほんと理想的に描かれていましたね。

そして重要人物の一人、有力な次期将軍候補の一方である一橋慶喜登場。
ちょっと原作ネタに流れますが、原作では、このシーンはなかったと思う。
斉彬や阿部の見立ては提示されず、とにかくこの目で見極めようと考えた篤姫との対面で、
初めて慶喜の生身の人物が描写され、篤姫はすっごい不審に思った・・・ような。
つまり、能力はあるのかもしれないが、態度が悪く、やる気がない。感じ悪い。

父上は、この人物を実際に品定めした上で、ほんとに将軍にふさわしいと思うのか、
それともこの人は、斉彬やその他有力者の前ではいい顔をして装うけど、
篤姫のことは舐めていて、丁寧に対応する必要なしと思っているのか。
前者ならば父の人を見る目を疑うし、後者なら、裏表のある人だから信用できない。
こんな人を推していいのか?と、篤姫は自分の使命に重大な疑問を持ち始め、
それがひいては、自分をここに送り込んだ、斉彬への不信の芽生えにもなっていく。

しかし、ドラマでは斉彬や阿部老中、西郷さんが先に慶喜を面接(違)し、
その人物の微妙さに軽く戸惑っている。ある意味裏表はないってことですね。
でもこうしておけば、あとで篤姫がうまくやれず、役目を果たせなかったとしても、
斉彬との関係が悪化する理由が少なくなるので、まぁ布石でもあるかな。
役立たずとか裏切り者とか思われずに「慶喜本人がアレだから仕方ないかも」という、
ひそかな共通認識を免罪符にできますからね。

原作を読んでいない夫でさえ、予告で紀州の家茂が出てきたとき、
「あっちの候補者のほうが凛々しいよなぁ」としみじみ言ってたので、
そうだよね、わかりやすいよね、そういう風につくられてるんだよね。
慶喜役の人は、平幹二朗さんと佐久間良子さんのご子息でしょうか?
無言で弓を引いていたときには大変凛々しく、美しくかっこよかったですが、
喋ってみたらとてもうさん臭くて卑俗に見え、役柄は気の毒だけど演技は上手。感心。
もし、うまく実績と知名度が上がったら、いつか大河の主役になるかもですね(適当)。

ほんと、本人の意志では身の振り方を選べない時代でしたなぁ。
慶喜は言外に「やりたくない」って言ってるし、斉彬も阿部もそれを聞いてるのに、
「ほかに適当な人がいないから」と周囲が推し進めるのは、少々気の毒な気が。
高貴な血筋さえも、政争の道具に使われるしかないんだな。
結局慶喜は徳川最後の将軍になるわけで、難局は乗り切れなかった、
ってことになるのかもしれないけど、それを無能と言っては可哀相な気も。
誰がやっても難しかったことを、失敗しただけなんだから。
大政奉還自体は、なるべくしての成り行きだし、別に失敗でもなさげだけど。

※話が篤姫からずれます。
私はここでちょっとだけ、慶喜と今の福田首相がダブって見えました。
今の政治は確かに酷く、福田さんも無能さを露呈しているようにしか見えないが、
でも、福田さんも、首相はできればやりたくないって言ってたように思う。
それでも、安倍さんが急に辞めて、ほかにやる人がいないから、
誰かがやらなければならないから仕方なく受けたように、私には見えたんですけど。
誰がやってもうまく乗り切れそうにない、難問だらけの政局に、
「あえて火中の栗を」福田さんは拾わされた、拾ってくれたんですよね。
それにしてもヒドイし、政治家には好きでなったんだろうし、
たくさん報酬ももらっていて責任もあるんだから、殊更に庇いはしませんが、
誰かがやらなくてはならなくて、少なくとも私にはできないことをやってくれているのだから、
足引っ張ったり中傷したり、どれもこれもダメ出しするのはどうか、とそれだけは思います。

というわけで、その後斉彬様と西郷さんが薩摩に戻り、一瞬の薩摩編。
相変わらず篤姫を気にかける尚五郎さん。
丁度良く斉彬に呼ばれるけど、あれは丁度良すぎ。何のために呼んだの、お殿様。
だって、尚五郎のほうには用あるけど、斉彬にはないじゃんね。まぁ、でも慣れた。
薩摩でどんなに心配してもとどかないし、何の役にも立たない。
しかも予告では、お近さんに離婚要求をされちゃってるし、しっかりしなさいよ。
予告では何が理由かはわからないので、あるいは関係ないかもですが、
結婚して仲良くしてても、いつまでも初恋の人をあからさまに気にする夫ってどうですか。
いくら優しくて控えめなおねえさんの奥さんだからって、甘えすぎだから、尚五郎さん。
大事にしないとバチ当たりますよ(追い出されたら自分が困るんだからね笑)。
ガンバレお近さん。腰の据わらないダンナにお灸を据えてやれ。

その後、阿部老中と篤姫の対談。
彼が大奥で人気だったのは、物腰柔らかい美男子だったため、とは原作。
でも、ドラマの阿部は自分では、何も言わない考えない老中だからだ、と卑下。
言いたいことあるなら言えばいいじゃん、と無責任にけしかける篤姫に影響され、
最後に水戸公にきっぱりと意見してわからせ、効果をあげる。良かったですね。
先週から、脂汗はかく咳は出るで伏線バッチリだった彼は、今回でご臨終。
原作ではほぼ腹上死(ぇ)だったので、そういう方向じゃなくて良かった。
原作の篤姫は、そのことにも切ない意味を見出していたのですが、
あのデリケートな描写を、ドラマできれいに再現するのは困難を極めるかと。
というか、原作の篤姫とは価値観も展開も別になってますからね。
あ、もうひとつ、ここを突っ込んじゃダメかもしれないが、
阿部正弘は20代後半で主席老中になり、亡くなるときもまだ30代という若さ。
美男子ということと、斉彬さまとかの兼ね合いで草刈正雄さんなのかもしれないけど・・
すいません、幾らなんでもご年配すぎだったと思います。

いかん、まだ半分しか書けてないのに、無駄話が多すぎて時間切れ。
長くもなりましたし、これでいったん出しておきます。
夜にでも続きが書けたらいいなぁ。たし、まほし。
by michiko0604 | 2008-06-02 15:33 | TVドラマ | Trackback