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小説「イニシエーション・ラブ」 乾くるみ

これも、大好きなブログさんで紹介されていた本。

マジメな大学生鈴木くんの、合コンから始まる、あまりにもリアルで初々しい恋愛。
1980年代くらいのヒット曲がサブタイトルについて、見事に内容とマッチ。
内容については、これだけ書けば充分かと。
最後に大どんでん返しのミステリーだと承知していなかったら、
それこそひとつの「通過儀礼恋愛」の顛末として、それなりに読んでしまったかも。
そしてそれでも、けっこうおもしろかった、という読後感だったかも。

最後2行での「やられた!」感は、少し前に読んだ、
「葉桜の季節に君を想うということ」に通じるところがあるけれど、
インパクトは3倍くらい上かも知れない。
最後の超・大ヒント、ここで一瞬でぱあっと謎が解けたわけではなく、
「ん・・・?」と引っかかってから、違和感がじわじわと広がってきて、
そのあたりの一点で突然、「うおぁあーーー!!」という完全理解の瞬間がキタ。私は。
カタルシスが快感の域に達していたため、ほかの人がどう思うか知りたくて、
「簡単に読めるから!」と同僚に無理やり読ませたくらい。
そして同僚は、すぐ読んでくれたけれども、私が種明かしするまで真相に気づかず、
「鈴木くん、こんな人になっちゃって!」なんて怒ってるくらいだった。
その後二人して「うぉああーーー!」という、一冊で何度も美味しい傑作でしたよ。
詳細を書きたいけど、そんな野暮なことはよそう。
興味持った方は、読んでみてください。

余談。
「男女七人秋物語」の放映時の物語だが(これもちょっと鍵になってるのか)、
私は昔からドラマが苦手だったので、この超有名作品も見ておらず、
結婚してから夫に「あれを見てねえ同世代が存在するとは思わなかった」
とまで言われ、一般常識として必要なのか、とビデオを借りて見てみました。
うん、面白かったです。これを毎週見てたら、それだけで小さじ一杯幸せが増したかも。
それ以来、ということでもないのだが、
楽しみな連続ドラマを1,2本くらい持ちたい、と願っているし多少努力もしてるのだが、
今期はとうとう一本も見られなかったですね・・・。まぁ五輪があったから良いが。
by michiko0604 | 2008-08-31 00:37 | | Trackback